200枚のラブレター
何か最近悉く酷い目にあってるような…?
いや、気のせいよね!
それより!ヤンデレなのに、幼馴染くんには私の愛が伝わってない様に感じるわ!
ここは1度ラブレター攻撃ね!私の愛を綴った文を読めば流石の幼馴染くんでも意識してくれるはずッ!
ヤンデレたるもの1通の恋文で満足か?否!真のヤンデレなら3桁は必要よ!
さあ、早速書くよ!
『大好きです』
シンプル過ぎるなぁ…
『いつも見てます』
私はヤンデレだけどストーカーじゃないし…
『結婚したいです』
これは直接言わないと意味ない…
『前世から好きでした』
ち、厨二病はもう卒業したし!
『貴方を思うと一晩で金閣…』
そのネタはもう古いわ!!
******
「うがー!!全然書けない!!」
書きたい事はいっぱいあるのに上手く言葉に出来ないよぉ…
国語の成績2の自分を恨むぞ…
…いや違う!そもそも文章にすることが間違いだったのよ!
私の想いをシンプルに何枚も送ればいいじゃない!
えへへへ…これならいくらでも書ける!
******
ふぅ…200枚は書いたかな?途中からボキャブラリーが無くなって大好きばっかになったけど、まあ問題ないよね!
差出人は入れた方が良いのかな?名無しも良いけど、やっぱ私のラブレターって知ってほしい!よし!全部のラブレターに名前入れるわッ!
あ!どうせなら少しデコっても良いかも!色ペンとかシールとか使えば可愛いし、見映えも良いよね!
それから数時間後…
ヨシ!200枚完成よ!これぞ私の愛の結晶ねッ!
これを幼馴染くんが読んだら…
******
『ふー今日の新聞は…って何だこれ!ラブレター!?』
『そのとーり!私のラブレターよ!』
『弥生!200枚も書けるほど俺を愛してくれてるのか…!』
『そうよ!…ほら、女の子から言わせるの?』
『そうだな…弥生!俺と結婚を前提としたお付き合いを!』
『はい!喜んで!』
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「ひゃっはーーーー!!いいねぇ!!最っ高ねぇ!!」
よし!早速これを幼馴染くんの家のポストに…いや、こんな一杯入れたら流石に家族に迷惑かけちゃうし…
なら一纏めにしてホッチキスやクリップで固定すれば、サイズ縮小だし大丈夫だよね!
にししし!それじゃあポストにぽーい!
さーて、明日の告白に備えて今日は早めに寝ないと…
「や~よ~い!こんな時間に何してるの!」
や、ヤバい…ママに見つかった…
「いや…ちょっと幼馴染くんの所に…」
「幼馴染くんに迷惑でしょ!!さっさとお風呂入って寝なさい!」
「はいい!!!」
『今夜は朝にかけて激しい大雨になるでしょう…では次のニュースです…』
******
「くぁ…新聞取らないと…」
そこには雨でぐしゃぐしゃになった大量の紙が入ってた。文字も雨で流れてしまったらしく、もはや黒い塊でしかない。
「何これ…嫌がらせ?あぁもう!こんな朝忙しい時に!」
「母さんお早う…何それ?」
「きっと新聞配達の人が入れたのよ。文句言ってやんなきゃ」
※妹ちゃんは日直で先に行きました
「あ!幼馴染くんおはよー!」
「おう、お早う」
よし…今日は髪もちゃんとセットしたし、制服も綺麗にしてムダ毛も完璧!さあ!何時でもばっちこい!
「そういやさ、今日新聞配達の人に嫌がらせされたんだ」
「え、嘘でしょ!?」
「変なゴミ入れられてたらしくてよ。もうポストの中ぐっちゃぐちゃで、チラシとかも被害あって朝から大変だったわ」
ぐぬぬ…まさかの妨害…流石にラブレターも全滅してそうね…
しかし私のラブレターをこんな形で妨害されるとは…!新聞配達…恐るべしッ!
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