第221話 我の為の剣


「何故だ……何故俺の俺の攻撃が当たらないんだ……っ!?」


 そして、この我に簡単にあしらわれ、攻撃が全く当たらないどころか、まともに戦いという形にすらさせてもらえない現状に耐えられなくなったのか、その不満を口にして叫ぶ。


 しかしながら、いくら不満を口したところで、多少は気持ち的に楽になったのかも知れないが、だからといって急激に、それこそこの我よりも強くなる訳もない。


 そんなもの、僅差の勝負をしておりストレスを発散することによって相手よりも上の立場に立てるのならばやれば良いとは思うのだが、そんな事で埋められる差ではない相手に対して不満を口にして叫ぶと言う行為は、正直言って子供がどうしようもない壁にぶち当たって駄々こねているようにしか見えない。


「ふざけるなっ!! 俺は竜の覇王だぞっ!! その俺の攻撃が何故ことごとく当たらないっ!? ブレスも無効化されるっ!? おかしいだろこんなのっ!! お前何か卑怯な手段を使っているんだろうっ!? 恥ずかしくないのかっ!?」


 そう思ったのは我だけではないようで、この決闘というなの処刑を観戦しにきた野次馬どもの声援も無くなっていき、次第に自称竜の覇王くんを貶すような野次が増え始めている。


「うるせぇ雑魚共っ!! 今から俺がこいつを潰せば問題ないだろうがっ!! 黙って見ていろっ!!」

「そもそもそうやって俺たちに対して口答えできるのもアイツに風穴開けられた顎の傷を治すだけの時間を与えてくれたのと、今も何もせずに突っ立ってくれているお陰だろうがっ!!」

「そうだそうだっ!! 情けなくないのかよっ!! 何が竜の覇王だっ!! 覇王覇王言う割には相手に手も足も出てないじゃないかよ情けないっ!!」


 そして、竜の覇王くんはその野次に反応して、ついには目の前にいる対戦相手であるはずの俺を無視してレスバトルし始めるではないか。


「……黙らんかっ!!!!」


 流石に見苦しいと思った我はスキル【覇王の威圧】とスキル【竜の咆哮】を使って一括する。


「もうよい。あともう少しだけ遊んでやろうかとも思っておったのだが、こんな奴が『竜の覇王』と威張りつらしていると思うと流石にもう耐えられぬ……」


 そして我はカイザル様から下賜された装備アイテムを一式をストレージから全て装備状態で取り出す。


 勿論、竜種である我が使える武器も込みでだ。


 ちなみ我が今回取り出した武器は、カイザル様の配下の一人であるドワーフが我の為に打った名刀【覇王一閃】という、まるで漆黒をそのまま剣にしたかのような美しい刀身にその名前はまさに我の為の剣と言えよう。


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ドラゴンノベルコンテストに参加する為、更新は一旦停止いたします。

コンテストが終わり次第更新し始めますので何卒宜しくお願いいたします('ω')ノ

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