第201話 畜生と同じ知能
あぁ、そう考えれば今からその時が楽しみで仕方がない。
しかしながら今の我だとリッチとしては中の上程度の強さであろう。
B級冒険者パーティー程度では接戦できるとは思うのだがそれはあくまでも接戦であり必ず勝てるという見込みは無い上に、悔しいがA級冒険者パーティーには勝てるビジョンすら見えない。
こんな我が欲望のままに人の肉や魂を喰らっていけばその内冒険者ギルド又は聖王国から討伐依頼ないし討伐命令がでて駆除されるのは馬鹿でも分かる未来である。
「この我が陰でこそこそと動くのは、腹は立つが討伐されるよりかはマシであろう。 それに、我には復讐をまだ果たしておらぬ……っ!」
そう、我は、我をこんな状態にした者達への復讐をするまでは死んでも死に切れぬからこそこうやって蘇って来たのである。 その復讐が終わるまではプライドを捨ててでも安全策を講じる。
「のう? お前たちもそう思うであろう?」
「ふがっ! ふがっ!!」
「うぅうっ!!」
そして我は、我の魔術で捕縛して、うるさいのでそのまま影で身体を縛る要領で口を塞いでいた墓荒らしたちへと問いかける。
すると彼らは涙と鼻水を垂らしながら我の考えに肯定してくれるではないか。
「そうかそうか、お前たちもそう思うか。 ならば我もお前たちの意思を尊重して気兼ねなく殺せるなっ!」
「むぅぅぅぅうっ!!」
「ぐもぁぁぁああっ!!」
「そう喜ぶでない。 我の力の一部になれる事が嬉しいのは分かるのだが、ちょっとばかしうるさいぞ?」
どうやら彼らも我の力の一部として我に取り込まれることが泣き叫ぶ程嬉しいようなのだが、流石にうるさいのでさっさと肉を食べ魂を取り込んでしまう事にする。
そうして出来上がった三人分もの人骨なのだが、このまま放置しても怪しまれる為我の墓穴へと入れて、そのまま我も元あったように石でできた棺桶の中へと入り、影を使って土をその上へ被せる。
そうする事により、今日来た頭の悪い墓荒らしたちがまた我の墓を荒しに来るだろう。
そして、こんな墓を荒さなければ食っていけないようなゴミクズたちが消えた所で誰も疑問にすら思わないであろうから、我も安心してリッチとして成長していけるという算段である。
我ながら良くできた──
「見つけたぞ。 やっぱりリッチになっていたのじゃ。 しかし、こんなに強力な闇魔術を行使して我に感付かれないとでも思っておったのならば生前同様に相当のバカじゃのう」
「所詮は私利私欲でしか動くことができない畜生と同じ知能しかもっておらぬようだのう」
──は?
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