第196話 平穏を楽しむ事に全力を注ぐ
しかしながらここに手を出してしまうと後々面倒くさい事になるであろう事は火を見るよりも明らかなので俺はなんとなくヒルデガルドの想いは察しつつも、あえて鈍感主人公のように気付かないフリをしてやり過ごす。
そもそも他国の『聖女』と呼ばれるような女性を相手にするだけでも、下手をすれば国際問題になりかねないので、ただでさえリリアナやらガイウスやらで面倒くさい事になっている所へさらなる問題を自らの手で作る必要も無ければ、ドМでもない。
とりあえず今はこの、やっと訪れた平穏を楽しむ事に全力を注ぐとしよう
◆
プレヴォ・ド・ドゥアーブルは、目が覚めた。
どれほど眠っていたのか分からない程眠っていた気がする。
そもそもプレヴォ・ド・ドゥアーブルの記憶の最後はギロチンで首を切断された所で終わっている為、これが夢でもなく実際に起きた出来事であるというのであれば『目が覚める』という事自体あり得ないのである。
しかしながら、何故だか分からないのだだがプレヴォ・ド・ドゥアーブルは目が覚めたのである。
ふむ、どうやらやはり我は選ばれし存在であったようだな。
であればこれからやる事は一つである。
我の事を馬鹿にした聖女も、俺へ冤罪を被せ打ち首の刑にした聖王にも、そして俺に対して罵詈雑言を浴びせてきた国民、それら全てに粛清の鉄槌を下すべきであろう。
しかしながら、目が覚めたのは良いが何も見えないのはなぜだろうか……。
そして少し考えて分かった事は、どうやら今の俺は土に埋まっているようである。
土に埋まっているのならば目を開けたところで何も見えないだろう。
しかしながらその土をどうにかしようにも身体が動かないのでどうしようもない。
そもそもギロチンで首を跳ねられているので、身体と頭が繋がっていないのであれば、今の我はそもそも身体が無いのではなかろうか?
そんな嫌な予感をし始めた時、急に視界が広がって行くではないか。
「やっと掘り当てたぞ……やはりここに埋められていたか」
どうやら誰かが我を掘り当ててくれたようである。
いったいどこのだれかも分からないのだが、その者だけは粛清対象から省いてやらんこともない。
「ナイスッ!! 流石は墓堀のダリアンと裏社会で呼ばれるだけの事はあるっすねっ!!」
「へへっ、そう褒めるなよっ! そしてこいつはクズな上に犯罪行為をした低級貴族だが腐っても貴族。 金目の物の一つや二つくらいあるだろうっ!! おいっ!! 誰かに見つかる前に早くするぞっ!!」
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下記宣伝でございます。
この度ドラゴンノベルコンテストに向けて三作品を投稿させていただきました。
どれもこの作品をここまで読んできていただけた皆様にはおすすめでございますが、今回は下記作品の宣伝をさせていただきます('ω')ノ
●おばさん、異世界転生して無双する(꜆꜄꜆˙꒳˙)꜆꜄꜆オラオラオラオラ
上記作品は、後悔ばかりの人生だった高柳美里(40歳)は、ある日突然唯一の趣味と言って良いVRMMOのゲームデータを引き継いだ状態で異世界へと転移する。
目の前には心血とお金と時間を捧げて作り育てたCPUキャラクター達。
そして若返った自分の身体。
美男美女、様々な種族の
これでワクワクしない方が嘘である。
そして転移した世界が異世界であると気付いた高柳美里は今度こそ後悔しない人生を謳歌すると決意するのであった。
という作品となっております('ω')ノ
気になった方は是非一度読んでいただければ嬉しく思います(*‘ω‘ *)
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