第179話 お前は壊れるだろうか
ぐ、ぐるじぃぃぃぃぃいいい………………っ!!
苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しい苦しいっ!!!!
まさか、この俺が魔術ではなく、ただの何の変哲もない接近戦専用のスキルでやられるとは……っ!!
俺は自分の意識が遠のいていくその時、目の前に天使が現れたように見えた。 いや『ように』ではなく、あれは紛れもなく誰が何と言おうと天使だ。
聖王国を我が物にこそできなかったのだが、最後に天使が見られたのであれば、まだ納得のいく人生であったのではなかろうか。
そして俺は意識を手放すのであった
「ぶはぁっ!? はぁっ!! はぁっ!! はぁっ!!」
お、俺は確かにブランシュ聖王によって絞殺された筈ではっ!?
まさかここがあの天国なのかっ!?
そう思い自分の身体が五体満足であり、霊体ではなくちゃんと肉体がある事を確認したあと周囲を見渡す。
「まったく、なんでいちいち蘇生するのじゃっ!! 神の御業をこんなゴミに使うのはあまりにも勿体ないとは思わぬのかっ!?」
「はぁ。 生憎俺は聖王国の進行している神とやらに忠誠は誓っていないからのう。 忠誠を誓っているのは神でも悪魔でもなくカイザル様でるから、俺からすれば貴様が言うこの神の御業とかいうのも単なるカイザル様から頂いた天使セットで行使できる光魔術の一つでしかない」
「では何故我にはこの天使セットをくれなかったのじゃっ!? どう考えても聖王たる我にはサブミッションスキルセットではなく、その天使セットではないかっ!!」
「いや、そのサブミッションスキルも本来であれば俺がカイザル様から頂いたスキルであってブランシュに上げる必要もないにも関わらずわざわざあげたんだぞ? 貰えるだけありがたいと感謝する立場ではないのかっ!?」
すると俺の目には二人で言い合うブランシュ聖王とガイウス陛下がいるではないか。
しかもそれだけではなく、カイザル陛下の背中には一対の真っ白な翼に、頭の上には天使の輪が見える。
「そ、そんなバカな……」
俺が天使になるのならばまだ理解できるのだが、信仰心のかけらもないガイウス陛下なんかが天使になっているんだ……っ!!
「おぉ、やっと起きたか。 まぁ、一回死んだところをカイザル様から頂いた力で蘇生したので生きかえっている事は分かっておったのだが、意外と早く目が覚めるものなのだな」
「え? は? 一回死んだ?」
「そして、あと何回死んで何回蘇生すればお前は壊れるだろうか?」
「おっ、丁度我もサブミッションスキルの練習をしたかった所じゃっ!!」
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