第176話 サブミッションスキル
「そもそも俺は宮廷魔術師程度の実力がある魔術師でもあるのだっ!! ただの権力だけ持っている老いぼれジジイだと勘違いして部下にやらせれば良いものを自らのこのこ来たのが貴様の運の尽きだなっ!!」
今までぬくぬくと育ってきた、脳内平和ボケしたブランシュ聖王の事である。
この俺がいかにして今の地位を手に入れる事ができたのかすら想像できなかったのであろう。
確かにブランシュ聖王は王族の産まれだけあって有能な家庭教師から魔術の手ほどき等をされている為そこそこ能力値は高いのだが所詮はそこ止まりであり、魔術や戦闘の才能があるかないかはまた別問題であるし、そう言った箇所は実戦でしか磨けない部分もある。
実力不足であり経験不足だからこそこんな穴だらけの作戦でこの俺を止められると思ってしまったのであろう。
本当に可哀そうな女性である。
だからこそ良い傀儡になると思っていただけに残念だ。
しかし。王族だけあって見た目だけは聖女にも劣らないほどの美貌を持っている為、ただここで殺してしまうのは勿体ない。
どうせなら俺が犯してから殺してやろう。
このブランシュ聖王のせいで俺の性欲を吐き出す事を邪魔されたのだから、そのツケをブランシュ聖王が拭うべきだろう。
「そんな反抗的な態度をとっているあたり、我に勝てるとおもっておるのじゃろう。 それこそお主が何も見れていないなによりもの証拠という事でもあろう。 いいじゃろう、我がその無駄に増大したプライドを粉々にしてやろうぞっ!! ガイウスからもらったこの力でのっ!!」
「おいブランシュ。 この力は俺ではなくてカイザル様から頂いた力であると言っておろうっ!! せっかくカイザル様から頂いたこの力ではあるのだが、生憎俺には使いこなすことが出来ない力であった為、我ではなく他の誰かに与える事ができるのであればより適した奴に与えようと思っておったのだが、まさかブランシュがこの力を最大限引き出せるだけの才能があるとはな。 お陰でせっかく頂いた力を無駄にする事が無くてホッとしたところである」
そして今まで黙っていて、いる事にすら気付けなかったガイウスがブランシュ聖王に力を与えたと言うではないか。
「恐らく魔術書か何かで秘伝の魔術を伝授したのであろうが、しかしそんな付け焼刃のような力が通用する訳がないだろ──」
「サブミッションスキル【腕ひしぎ十字固め】じゃっ!!」
「──痛たたたたたたたたっ!!!! や、止めっ、折れるっ! 折れる折れるっ! 俺の腕が折れるっ!!!! あがっ!!??」
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