第160話 ションベン臭くケツの青いクソガキ



 そしてカイザルは何を勘違いしたのか私がもとからカイザルの事を知っており、嫌っている等と言い始めるではないか。


 このカイザルとかいう男性はどこまで自意識過剰なのだろう。


 その事からもこのカイザルとかいう男性もプレヴォなどと同じようにプライドが肥大しており、下の者には何もしても良いとか思っているタイプの男性であろう事が先ほどの短い言葉から考察する事ができる。

 

 あぁ、私の男運はなんでこんなにも悪いのでしょうか? 私、何か悪い事をしましたでしょうか、神様。


 私の人生こんなんばかりで嫌になる。


 というか、さっきカイザルは私を自分が通っている学園へ連れていくとか言わなかったかしら?


「え? いや、なんで私がカイザルの通っている学園へと一緒に行かなければならないんですかっ!? 行くのであれば一人で行ってきてくださいよっ!! というか人を泥棒扱いするのも酷いと思うんですけどっ!?」


 ほんと、このカイザルの言う言葉すべてがいちいち失礼過ぎるのではなかろうか?


 確かに半ば無理やり私を押し付けられた形になってしまっているとはいえ、私だって好きでカイザルに押し付けられたわけではない訳で、お互い様ではなかろうか?


「ちょっとアナタ、先ほどから私のご主人様に対して失礼すぎではないかしら? 今まで黙って聞いていたのだけれども、私のご主人様に助けて頂いた身分であるにも関わらず感謝こそすれ、その物言いや態度はバカにしているとしか思えないのだけれども。 そして、何よりも腹が立つのはこの私を差し置いて私のご主人様がアナタの身体を求めて襲うですってっ!? まだこの私にすら手をだしていただいていないというのにっ、どこの馬の骨とも分からぬションベン臭いケツの青いクソガキであるアナタを、私のご主人様が手を出すとでも思っているのであれば、自意識過剰にも甚だしいったらありゃしないわねっ!!」

「シシル……?」

「はいっ! 愛しのご主人様っ!! 何かしらっ!! 今から子作りですかっ!! では私のベッドまで行きましょうっ!!」

「いや、ややこしくなるから少し黙ろうか?」

「まったく、つれないお方。 でもそんなところも好き」


 そしてカイザルが私に向かって何かを言い返そうと口を開いたその時、カイザルの影の中からエルフの女性が出て来て一方的に私に向かってまくし立ててくるではないか。


 しかも、この私に向かってションベン臭くケツの青いクソガキと言う始末。


 た、確かに急に現われたこのエルフの女性と比べると私の身体はお子様体系かもしれないのだが、これでも今年で十五歳であり、結婚もできるし子供も産める年齢だし、そもそもこのエルフの女性相手に比べたら殆どの人族が子供体系ではないかっ!

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