第150話 私の純情を弄んだなっ!?
「いくらしらばっくれようとしても無駄だぞ。 俺は全て分かっておるからの。 しかし、だからといてお前が正直に答えたところで許しはせぬがの」
そしてプレヴォに対してガイウスはそんな事を言うではないか。
こ、これってあれじゃよなっ!? 『お前の気持ちは痛い程伝わっているゼ。 そして俺はお前に何を言われたとしてもこれから前の事を可愛がる事には変わりない』って事じゃよなっ!!
も、妄想が止まらんっ!! あ、涎が。
「ど、どういう意味でしょうか? そしてガイウス陛下が我の何をご存じであると言うのでしょうか?」
「まぁ、そうだの。 こうグダグダ言うよりも実際に確認しに行った方がいいだろう。 のう? プレヴォよ。 お前もそう思うだろう?」
「そ、そうですね」
「そうかそうか。 俺もそろそろお前を可愛がりたくて我慢するのが限界なところだったのだよ。 お前からもそう言ってもらえるといちいち理攻めする必要もなくなり手っ取り早くお前の事を可愛がる事ができるからの」
「きゃぁぁぁあっ!! …………おっと、すまぬのじゃ。 ここに我はいないものとして自分たちの世界を作り上げてほしいのじゃっ!! ささっ! 我にかまわずっ!!」
「…………」
「…………」
あ、危なかったのじゃっ! 思わず心の声が漏れてしまったのじゃっ!!
しかし、我の完璧な切り替えして何とか二人の空気を壊さず、そして我が二人の関係に興味津々であるという事がバレずに何とか誤魔化せたのじゃっ!!
まさか我に女優の才能があるとは分からなんだな。
「…………まぁいい。 この馬鹿の事は放っておこう」
「馬鹿とは何じゃ馬鹿とはっ!!」
「相手をしていたらいつ本題に入れるか分からないからな。 それじゃぁ、行こうか。 プレヴォ」
「い、行くって、どちらへ」
「おかしな事を言う。 お主が領民を連れ去って監禁し、性欲の捌け口にしている地下室に決まっているじゃないか」
…………へ? あれ? あれれ? ガイウスはプレヴォの事が異性として好きだから興味があった訳ではなく、プレヴォがしでかしていた悪事に興味があった……?
「わ、私の純情を弄んだなっ!? ガイウスっ!!」
「は? いや、お前だからさっきから何がしたいというのかっ!? 鬱陶しいっ!! あと、このゴタゴタを利用して逃げようとするでないっ!! プレヴォ」
そして我は裏切られた怒りを込めて、ガイウスへ拳を振るうのであった。
◆
「それで、この地下室は何かの? プレヴォよ。 申し開きはあるかの? 一応プレヴォの言い訳も聞いてやろうではないか」
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