第148話 邪魔などする訳が無かろうっ!!
「お前……まさか俺の送った手紙を読んでないのか? 他国の皇帝からの手紙を読まないって……一体何を考えているのだっ?」
「だ、だから一応目は通したって言っておろうっ!? 小さい事いいちいち噛みつくのは男らしくないぞっ!!」
「いや、流石にこれを小さい事と言い切るのは、それこそ無理があろうっ!! お主は自分が何を言っているのか分かっておるのかっ!?」
「うるさいのじゃっ!! 男ならばそれくらい黙って飲み込めるくらい大きな器を持たぬかっ!! ほれっ! そんな事よりも今からプレヴォの邸宅へ向かうのであろうっ!? こんなどうでも良い話にいつまでも噛みついてないで早う行こうではないかっ!!」
そして、私がガイウスからの手紙に目を通しただけで中身をちゃんと読んでいない事がバレ、その事を追及される前にガイウスの腕を取って早くプレヴォの邸宅に行こうと急かす。
というか、何故だか知らないのだけれども今の我はガイウスとプレヴォの絡みを猛烈に見てみたいと思ってしまい、その衝動を抑えきれない。
そんな、男性同士の恋愛がまさかここまで私の興味をそそるとは思いもよらなかった副産物である。
何故興味を持ってしまうのか、何故大っ嫌いな筈のガイウスの事なのにここまで気になってしまい、気が付けば妄想を繰り広げてしまうのか、私には全く分からないのだが、ただ言える事はここでガイウスとプレヴォの絡みを見る事ができなければ私は一生後悔しそうだ、という事と、何故か新しい扉を開くような、そんな気がしてならないのである。
そして、それとともに見てはいけない、けれどもとても儚くて綺麗なもののようにさえ思えてしかたがないのである。
まさか、男性同士の恋愛事情というだけでここまで我の感情を揺さぶられてしまうなどと誰が想像できたであろうか。
「ほらグズグズするでないっ!!」
「なんでお前がそこまで乗り気なんだよっ!? まぁ、プレヴォの正体を知れば俺が言っている意味も少しは理解できるであろうから俺は別に構わぬが……。 ただ俺の邪魔だけはするなよ?」
「当り前じゃっ!! 邪魔などする訳が無かろうっ!! 我の事はその辺に生えている草か何かとでも思って思う存分に楽しんでくれてかまわぬぞっ!! はぁはぁはぁっ」
「いや、まぁ……それならば別に構わないんだが、なんでそんなに息が乱れるほど興奮しているんだよ……?」
「わ、我も分からぬのじゃっ!! じゃが邪魔はせぬ故、気にしないで欲しいっ!! さぁ行こうぞっ!!」
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