第140話 精神的にまだマシ
「え? なっ!? 嘘でしょう……っ!?」
そして私は周囲を見渡すと、確かに今までいた部屋ではなく、別の部屋へと移動しているのが分かる。
しかしながら部屋が違うからと言って本当に帝国まで来ているという事を信じるのはまだ早すぎるだろう。
「嘘なものか。 でもまぁ確かにここが帝国である事を証明しろと言うのは難しいのだが一週間もすれば納得するだろう」
そんな私の発言にカイザル様は怒るでもなく。そう思ってしまうのも仕方がないと言ってくれる。
そして私はカイザル様の発言によって、今度はカイザル様を信用していないような言葉を言っていた事に気付く。
「も、申し訳ございませんっ!! 先ほど謝罪したばかりだというのにまたしてもカイザル様に向かって──」
「いいからいいから。 別に誹謗中傷じゃないことくらいは分かるし、それくらいで罰したりしないから。 それにいきなり聖王国から帝国に来ましたと言われても信用できないことくらいは俺も理解しているつもりだ」
先ほどその事について謝罪したばかりだというのに間髪入れずにまた同じ失態をしてしまっては、流石にもう許されないと思っていたのだが、カイザル様は怒るでもなく、むしろ逆に私の心境を理解できるとおっしゃってくれるではないか。
こんな貴族、聖王国では出会った事が無い。
聖王国の貴族はプレヴォのように弱者を食い物にし、いたぶるか、酒や女に溺れるか、何かしらの欲に溺れているイメージしかない。
それは私が孤児であり弱い立場だからこそ、そういう貴族にしか出敢えていないだけなのかもしれないが、聖王国という国であるにも関わらずその国の貴族がこんなんではあんまりではないかと思っていた。
確かに寄付をしてくれたり、孤児院などを建ててくれたりしてくれる貴族はいるものの、そのほとんどは自身の顕示欲を見たすためでしかなく、寄付したら、建てたらそれで終わりと言う者が大半であり、そうでなければプレヴォのようなクズかしかいない。
そこまで考えたところで、私はカイザル様が貴族かどうかも分からない事に気付いた。
いや、流石に皇帝陛下とあそこまで親しく会話を出来ているあたり間違いなく貴族なのだろうけど……流石の私も他国の貴族の事については疎く、クヴィスト家と言われてもそれがどれ程の爵位を持っているのかが分からない。
これは……知らない方が精神的にまだマシという奴ではなかろうか。
「一応俺の家は公爵家ではあるものの、そんな事など気にしないでヒルデガルドの為に宛がう部屋の中にある備品などは好きに使ってもらってかまわないから。 むしろ長期滞在する客人用の部屋である為それ込みで作っているしな」
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ウマ娘でございますが、石ころ二万個ほど使ったところでサポートカード二種類を引き当てたので撤退いたします(`・ω・´)キリッ
無料10連と合わせて集めたクローバーでスぺちゃんサポートもいち凸できました(*'▽')ノ
石ころは四万八千個くらい余りました(*‘ω‘ *)ふふ。 好みのキャラが来るその時まで温存します。
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