第123話


「最悪とは何だ? お前はカイザル様の婚約者という立場が嬉しくないのかっ!?」

「嬉しい訳がないでしょうっ!? どこをどう見れば私がカイザルの婚約者という立場を嬉しいと思うのよっ!!」

「そうか、お前は実際にカイザルの凄さを見ていないのだな?」


 そしてお父様はそう言うと私をまるで可哀そうな者を見つめるかのような目で見つめてくるではないか。


 解せぬ。


 そもそも私だってあの日カイザルの強さは実際に体験しているので分かっているというのに何なのかしら? このお父様の上から目線な態度は。


 そもそも帝城が壊れていない時点でカイザルがドラゴンを召喚していない事は一目瞭然であろう。


 ドラゴンを見ていない癖になんでお父様はそんなに偉そうなのかと、考えれば考えるほど腹が立ってくる。


「お父様こそカイザルの本当の強さを知らないのではなくて? どうせドラゴンも見ていないのでしょうし」

「ドラゴンまで使役しているとは、流石カイザル様だな。 しかしながら、生と死を自在に操る神のごとき存在であるカイザル様であるのならばドラゴンの一匹や二匹程度使役していても何らおかしな事ではないだろう。 しかしながらリリアナよ。 まさかその程度の事でカイザル様についてこの俺にマウントを取ろうとしていたんじゃぁなかろうな?」

「…………くっ。 うるさいっ!! とにかく私はカイザルとかいう糞とは結婚するつもりも無いし、一度婚約破棄をする流れになっていたのだからそのまま破棄しても何も問題は無いでしょうっ!? だったら今すぐにでも破棄しなさよっ!!」


 なんでお父様はカイザルがドラゴンを使役している事を知っても驚かないのよっ!? むしろ使役して当たり前のような感じですんなり受け止めていたしっ!! 意味が分からないんだけれどっ!!


 腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つ腹が立つっ!!


 しかもまるで『まったく、手のかかる娘だな』みたいな目で私の事を見てくるしっ!!


「とりあえずリリアナは皇族である。 一般市民ではない事は分かっておるな?」

「それがどうしたのよっ!? だから私は偉いのでしょうっ!?」

「偉い偉くないはこの際おいておこうか。 貴族や皇族が好き嫌いで結婚相手を決められるとでも思っているのだとしたら頭を冷やしてこい。 皇族という甘い汁を吸っているのにその根源である父親の決めた相手と結婚できないというのであればそれこそ平民として生きて好きな相手と結婚すれば良いではないか? であるのに何故リリアナは皇族としているのだ?」               



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私のおばあちゃんがお亡くなりになった為、お通夜とお葬式まで行進が滞る場合がございます(´;ω;`)ウッ…

ご了承のほど何卒よろしくお願いします。

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