第104話 鋼の意志で無視をする
そしてシシルが俺の事をご主人様と呼びながら会話する姿や、その豊満なボディーの胸元に隷属印が記されているのを、まるで信じられないと言った感じで話し合うのが聞こえて来る。
しかしながら俺が既に帝国の裏側を牛耳っているようになっている事に関しては掠りもしていないので訂正したい欲に駆られるのだが、俺が訂正しようとしたところで余計に話がこじれてしまう未来が勘案に予想できてしまうのでもどかしい限りである。
「おい、お前ら」
「ひぃっ……」
「は、はひっ」
「……っ」
とりあえず残った者たちにはやって欲しい事があるのでそれを伝える為に声をかけてみるのだが、全員萎縮してしまい、その表情からは恐怖と警戒心を俺に向けているのが見て取れる。
「いや、お前たちには何もしないからそこまでビビらなくても良い……って言っても流石に無理か。 とりあえずお前たちにやってもらいたい事があるんだが」
「…………そ、それは何でしょうか?」
しかしながら何も危害を加えない予定なのでここまで怖がられると少しだけ傷つくのでそんなつもりは無い旨を伝えるのだが、先ほどまでの流れを全て見ているのであれば怖がってしまうのは致し方ないのかなと思い諦める事にして、とりあえずこの者たちにしてほしい事を伝える事にする。
ちなみにシシルがこの者たちを羨ましそうに眺め、そして時たま俺の方へ物欲しそうな目線を向けてくるのだが、シシルに付き合っていたら終わる話も終わらなくなるというか、俺のメンタルがやられそうなのでスルーする。
なのでシシルが無反応である俺の袖を『ちょんちょん』と引っ張って来るのだが、あのクールビューテーなシシルが(最近駄クールビューティーから変態駄エルフにシシルのイメージが変わり始めて来ているのだが)上目遣いで俺の袖をちょんちょんとする姿ははっきり言ってギャップ萌えすぎて反応してしまいそうになるのだが、ここは鋼の意志で無視をする。
「有象無象たちを持って帰るついでに皇帝陛下へ『流石に短期間で二回も刺客を寄こされるのは迷惑だから近いうちにお返しとしてぶん殴りに行くからよろしく』って伝えといてくれないか?」
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