第100話 当たれば爆死ではない
「なぁ、そこに隠れているのは分かっているんだからもう出てくれば? 因みに攻撃してきた奴は容赦しないからな。 あと出てこない奴も俺に敵意があるとみなすから自分はバレていないと思っている人は先に警告しとくわ」
そして俺がそう言うと、シャルロットが連れて来た連中の内、約三分の二程の人数が物陰や垣根の裏から出てくるではないか。
「じゃぁ、今隠れている奴は俺に対して敵意を持っていると判断するから──」
「ふざけるな小僧っ!! お前ごときクソガキがシャルロット様を倒せる訳がないだろうっ!! いったいどんなイカサマをしたっ!? 風魔術段位三【鎌鼬】」
とりあえず出てこない奴にお灸を据えようとしていたその時、木の裏に隠れていた奴が、隠れながら詠唱していたのであろう。
出てきた瞬間に風魔術段位三【鎌鼬】を行使して来るではないか。
正直バインド系魔術で三日間くらい拘束して動けなくさせてから水だけを与えさせて逃がす予定ではあった(その間漏らした場合はその掃除もさせてから解放するつもりであった)のだが、攻撃をして来るとなると話は別である。
そもそもシャルロットに対して何もさせずに圧勝した俺に向かってこんなそよ風みたいな魔術で攻撃して何とかなると思っているあたりがもうダメダメであろう。
そして俺はストレージから魔術を切り裂く事ができ、その切り裂いた魔術から魔力を吸い取る事ができる妖刀【童子切安綱】を取り出して相手が発動した風魔術段位三【鎌鼬】の攻撃を全て切り落とすと、それで吸収した魔術で斬撃を飛ばす。
「あがっ!?」
この妖刀【童子切安綱】は対魔術に対してはかなりの強さを誇り、ゲーム内のレア度も当時最高ランクの星十であり、この妖刀【童子切安綱】を手に入れる為に十二万程課金したのは、今思えば良い思い出である。
当時の俺からすればピックアップ対象アイテムという事もあり三万で終わると思っていた為まさか天井まで行くとは思っておらず、倍の六万を超え始めたあたりから気持ち悪くなり、そして六万も突っ込んでしまった以上止まれないと更に回して十万超えたところからゲロを吐きそうになった程なのだが、当たれば爆死ではないのでこの妖刀【童子切安綱】を当てた時点でそれが例え天井まで回したと言えども爆死ではないのだ。
ピックアップとは? と確かに一瞬脳裏を過ったのだが、あれはピックアップ対象アイテムやキャラクターの当たる確率が上がるだけで必ず何万円以下で当たりますなんて事は何一つ書いてないのである。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます