第83話 ニュータイプかよ
「なるほど、英雄色を好むと言いますし……カイザル様の為ならば私の身体は好きに使ってその色欲を発散していただいて構いませんのでっ」
そして何故かここにシシル先生がいる事については何故か突っ込む事はせず、そのシシルが言った『ご主人様の雄の部分も満たされる』の部分に反応してしまうではないか。
その結果オリヴィアは俺へ『自分の身体を使て色欲の捌け口に使っていい』と迫って来るではないか。
そのオリヴィアの顔は、口では自分の身体を犠牲にして俺の色欲の捌け口にしても良いというようなニュアンスで、まるで『俺の為ならば頑張ります』という健気な少女のように言っているのだが、その表情からは『カイザル様の子種が欲しいっ!!』という感情を全然隠しきれておらず、邪な感情がだだ漏れであった。
「あ、大丈夫です」
その表情を見た瞬間、俺は一瞬にして素に戻りオリヴィアの提案を断る。
「そ、そんなっ!?」
「私という美だけではなくオリヴィアという若さでもってもダメとは……ひょっとするとご主人様は男色の気があるのかしら」
そしてまさか俺に断られるとは思っていなかったのかオリヴィアが驚愕するとともにシシルが俺にあらぬ疑いを持った目で見つめて来るではないか。
失礼極まりない奴だな。
そして、恐らくこの駄奴隷エルフとポンコツ女騎士は出会った瞬間に意思疎通して俺を篭絡しようと目と目で通じ合ったからこそオリヴィアはシシルが今ここにいる事を指摘しなかったのであろう。
…………ニュータイプかよ。
そんなタラレバな俺の推理はさておき、今は俺の性の対象が女性である事をしっかりと説明するべきであろう。
このままこの駄奴隷エルフとポンコツ女騎士に俺が男色であると疑われ、訂正しないまま過ごした場合この二人はとんでもない爆弾をぶん投げてきそうなのでこの火が火種のうちに消火しておくべきであろう。
対処できないくらい燃え広がってからでは遅いのだ。
「いや、俺はちゃんと女性が好きだからな? そこは間違えないでくれよ?」
そして俺がそう言うと、何故か二人からは『わかりました。 そういう風にしておいてあげましょう。 まったく、世話の焼けるご主人様(主様)ですね』というような生暖かい目線を向けて来るではないか。
「いや、本当なんだってっ!!」
「まぁ、ご主人様がそこまで言うのならばそうなのでしょう(必死すぎてまだ完全に白とはいえないのだけれども)」
「わ、分かりました(うーん、だったら何故シシル先生と私という女性の誘いを断るのかという疑問は残りますが今はご主人様を信じましょう)
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