第73話 なので俺はそのバカを煽る
そしてオリヴィアは俺に向かってそんな事を言いながら挑発してくる。
「そもそも何を根拠に俺の能力が手品、ペテンであると思ったんだよ? あと、さっきも言ったと思うが、例えお前の剣を切った行為が手品だったとしてもその種が分からない限り防ぎようが無い事には変わりないだろうし、実際にお前の剣を切っている以上それは手品でも何でもなく事実であると俺はおもうんだがな?」
そもそもこのオリヴィアは俺が何かしらの方法でもって剣を切ったのだと思っているようなのだが、実際に剣が切れている以上手品だろうが何だろうが剣を切る程の威力がある攻撃方法を俺が持っているという事には変わりないという事には気付いているのだろうか?
「何を言うかと思えばそんなものか。 そもそも私は皇族に仕える騎士の一族でありリリアナ様の側仕え兼護衛でもあるのだ。 そんな卑怯で狡猾な攻撃が通用するはずが無かろう。 そしてその事を理解しているからこそお前は私に対して強気な態度を取り、それを悟られないようにしている、どうだ、図星であろう?」
そしてやはりというか何というか、オリヴィアは全く以て何もかも理解していなかった。
「…………こんなバカを相手にするだけ時間の無駄であったか。 そんな馬鹿にもう一度チャンスをやろう。 俺の前で土下座をして一生涯俺に対して噛みついて来ないと宣言して謝罪をすれば見逃してやる」
なので俺はそのバカを煽る。
バカは掌の上で転がし易いから敵の場合はかなり楽でありがたい。
「それはお前の方だろうっ!! 立場を弁え…………へ?」
「聞こえなかったのか? 『俺の前で土下座をして一生涯俺に対して噛みついて来ないと宣言して謝罪そすれば見逃してやる』と言ったのだ。 立場を弁えていないのはお前であるし、俺は何度もお前にチャンスを、慈悲を与えようとしてあげたにも関わらず逆に噛みついて来るとはな……残念だよ」
そして俺は尚も俺に対して上から目線で偉そうに喋り始めたオリヴィアの右腕を肩から切り落とす。
「へ? あ? な、何で? わ、私の右腕が……っ!?」
「俺はお前に忠告したはずだ。 お前は侯爵家で俺は公爵家である為立場を弁えろと、首が飛んでもおかしくないぞと。 更には『たとえ手品だとしても種が分からなければ対処は出来ないはずだ』と何度も忠告したはずだ。 首を切り落とさないだけ俺の慈悲だが、それでもまだ俺に対して不敬な態度を取るようであれば次は左腕、その次は足と切り落としていくから覚えておけ」
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