第72話 残念な頭の持ち主
「まぁいいや。 俺はやはり体罰は必要だと思うんだよ。 自分自身前世では幼少期言って聞かない子供だったからな。 そしてお前みたいな奴も。 指摘してやったにも関わらず態度を改めるどころか剣を抜くなど言語道断であり、殴り返されても文句は言えないよなぁ?」
言って聞かないのならば殴られても文句は言えないと俺は思っているのだが、このオリヴィアに関しては言って聞かないどころか剣を抜いているので問答無用で殴っても良いだろう。
むしろ剣を抜いておいて『やり返されるとは思ってもいなかった』などとは言うまい。
それこそ一応は騎士としてリリアナの側に仕えているオリヴィアは特に。
「そんなに大口を叩いて……後で後悔して謝罪をした所で許しはしないから。 今まで私やリリアナ様に与えた屈辱の数々が消える訳でもないのでたとえどんなに謝罪したところで死罪しかないという事に気付いてももう遅い…………は?」
とりあえず俺の前で偉そうに、まるで悪いのは俺の方であると講釈を垂れている途中オリヴィアには申し訳ないのだが流石にこんな無駄な事で時間を費やしたくないので、オリヴィアの話を聞き終える前にさっさと行動して終わらす事にする。
まずは手始めにストレージから瞬時に課金で手に入れた剣を取り出し抜刀、オリビアの剣をまるでバターのように切り落としてまだストレージへと戻す。
この速さ、俺でなきゃ見逃しちまうね。
そして『トスッ』と音を立てて俺が切り落として剣先が廊下に突き刺さり、その光景をオリヴィアはなにが起こったのか理解できていない表情でその光景を眺めていた。
「は? じゃねぇよ。 次は何処を切り落として欲しい? 一応公爵家である俺をこれほど侮辱したのだから首から下を切り落としてとしても文句は言えないよなぁ?」
「…………はっ、そういう事か」
「……あ?」
「どういう手品をしたのか分からないのだけれど、そうやってリリアナ様や弟のダグラス、その他貴族達を騙してきたという事ですか?」
はじめこそ訳も分からず不安気な表情であったのだが、急に納得した表情をしたかと思うと訳が分からない事を言い始めるではないか。
「そうだな、オリヴィアの言うとおりこれが手品だったとしよう。 種も仕掛けも分かっていないのにどうやって俺の攻撃を防ぐんだ?」
「やっぱり、手品であるという事を認めるのね。 そんな紛い物の力で私をどうこうできると思っているのであれば可哀そうな頭の持ち主なのでしょう。 あ、そうでしたね。 もともとカイザルは残念な頭の持ち主でしたね」
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