第63話 俺の悩みの種の一つ
どう考えれば冒険者ランクS級のゴーエンをカイザル一人で勝てたと思うのだろうか?
その思考回路が分からない。
馬鹿はこれだから困るのである。
何が原因でミスしたのか原因を究明するのが困難である為、改善方法を見つけ出すのが難しい上に、気が付いたらミスっているため始末に負えない。
それが行動力のあるバカであるのならば猶更
それこそ先ほどの兵士が返答した内容もそうであろう。
普通に考えればそんなはずがないという事が少し考えれば分かるような事であるにも関わらず、この兵士はその『少し考える』という事を放棄して『カイザル一人でゴーエンを倒した』というのである。
なぜそこで『ありえない』という疑問を抱かないのだろうか?
そしてこういうバカは前線で使い潰そうにも、逆に前線を潰してしまい我が国側を一気に不利な状況へと持って行ってしまいかねないミスをしてしまう可能性もあり、それは後方でも同じことが言える。
司令官などはもっての外である。
そのため、こういう奴ら、特にやる気のあるバカどもは見つけ次第殺して行くのが一番効率が良い方法であるのだが、それをすると自国の士気が一気に下がる(実証済み)為、俺の悩みの種の一つとなっている。
「まあ良い。 とりあえずはカイザルの裏には間違いなくゴーエンを凌ぐものがいると考えて以降行動しろ。 あと、恐らくカイザルの裏にいる者は間違いなく腕の立つ魔術師であろうからこちら側もそれなりの魔術師を集めて再度カイザルを捕縛しに行け」
「は、はいっ!!」
とりあえずは、俺へ反抗的な態度を取らないというだけでも良しとしよう。
今は目の前のバカをどうするかではなく、カイザルをどう捕縛して俺の目の前に突き出すかが先決である。
「そうだな、捕縛してきたら少しずつ、そう数か月間に渡って死なないように調整しながら身体の肉を削いで行くのも良いかもしれないな」
そして俺はそう呟きながら、どのようにしてあのカイザルを長い間拷問していこうかと考えるのであった。
◆
昨日の襲撃から何故か家族が俺に対して少しだけ態度を変えてきたような気がするのだが気のせいだろうか。
しかしながら俺への態度を変えたところで俺は家族にたいする対応は一ミリも変えるつもりはないので、家族の俺に対する態度の変化などはっきり言ってどうでも良い。
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