第45話 奴隷にしたことを改めて悔いる
「あの日のご主人様の魔術を見てしまったら、下半身が濡れてしまわないエルフ女性はむしろいないと思うわよ? それこそ人族を見下していたとしても関係ないほど私はご主人様の魔術に見とれてしまい、下半身が問答無用で濡れてしまったもの。 それほどご主人様の魔術は美しいという事よ。 自信を持ちなさいな」
「分かった、シシルの言いたいことは分かったのだが、その、なんだ? その『下半身が濡れる』という表現はさすがに生々しすぎるから止めてもらえないか?」
「まったく、エルフ族からすれば『下半身が濡れてしまう』と女性から言われるのは『あなたの子種が欲しくてたまらないの』という意味もある最上級の女性からのアプローチの言葉だというのに。 分かったわ。 郷に入っては郷に従えとも言うのでここは人族であるご主人様の為にこれからは控えるわね。 これでご主人様に引かれてしまっては元も子もないものね」
いや、何その最低なアプローチ方法。
なんかエルフ族の出生率が低い理由が、種族故の性に対する興味が薄いという理由だけではない気がしてきたのだが……。
てか『止める』のではなくて『控える』なので、こいつはまだ言うつもりなんだ……。
あと残念ながら既に俺はシシルのその発言にドン引きである。
「ま、まぁ最悪人前で言わなければもうそれでいいよ。 てか、いくら言われてもシシルとは今のところ子作りするつもりはないからな」
「えぇ、分かっているわ。 だけれども私がご主人様の奴隷という立場から解放されたいと思わない限りは、私ご主人様の奴隷であり続けることができるので、ある意味ではずっとご主人様の側でアプローチができるという事でもありますから、むしろ逆にこの完璧なプロポーションと絶世の美少女である私のアプローチをいつまでご主人様が耐えることができるのか見ものだわ」
「あ、はい。 まぁ頑張って?」
そして俺はシシルを奴隷にしたことを改めて悔いるのであった。
◆
あの日、リリアナ様とダグラス様が婚約した日から明らかにリリアナ様の様子が目に見えておかしくなった。
一体あの日に何があったのか聞いてもリリアナ様は一向に話してくれないので痺れを切らした私は思い切ってダグラス様にもあの日何があったのか聞いてみたは良いものの、リリアナ様同様にはぐらかされるだけであった。
そして私はあの日クヴィスト家のパーティーに参加した同年代であり同じ学園の女性数名に話してみたは良いものの、やはり皆同じようにはぐらかすのである。
これは明らかにおかしい。
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