第43話 エルフには珍しく発情期に突入
◆
あの日から俺の日常は激変した。
まず身近なところの変化でいうと使用人たちの俺への態度が百八十度変わったのである。
しかしまぁこの使用人たちは俺を見下していたというよりかは日々のストレスの捌け口にしていたという感覚であったのだろうから簡単に俺の方が立場が上であるという事をすんなりと受け入れられたのであろう。
俺も悪魔ではない為態度を改めてくれるのであれば解雇にはしない。
しかしこの事が使用人たちの俺に対する評価が鰻登りであるという嬉しい誤算が付いてきた。
その理由は、今までの行いからほとんどの使用人が解雇されるだろうと思っていたのだが、そんな事も無く、むしろ父親が当主の頃のギスギスした雰囲気も緩和されてかなり働きやすくなった為であるという理由らしい。
これはあれだろうか? 生理的に苦手だった人が話してみれば意外と良いやつで気が付けば意気投合して親友になっていたとか、不良が良い事をすると良い奴に見えるなど、マイナスだったものが少し好意的な行動などをすることで一気にプラスへ転じてしまう現象のような気がするのだが、まぁ嫌われたままよりかは何倍もマシなのでそのままにしておく。
しかしながら父親が当主の時は、使用人の仕事は全てにおいて完璧を求められていおり、常に緊張感が張り詰めていたので使用人たちの言わんとする事も分からないではないのだが。
だからといってそのストレスの捌け口を俺に向けるというのは勘弁してほしかったのだが今更だろう。
因みに使用人達とは違い俺の家族たちはもともとプライドが高く今まで見下していた俺に、逆に見下される立場になった事を未だに受け入れられていないらしく、極力俺に合わないように生活しているようでめったに家族に会う事はなくなったし、見かけても引き返すようになった。
あと、今までの使用人への態度を改めないとこの家から追い出すとも言っているので以前のように使用人に対しても俺に対しても高慢な態度を取れなくなり日々ストレスを溜め込んでいっているようなので、この生活が嫌ならばいつでもこの家から出て行っても良いとは話しているので後は放置である。 それこそこの生活が嫌ならば出て行けば良いのだから。
そして一番変化したのが執事であるセバスである。
セバス曰く『ようやく心から尽くしたいと思える相手に出会えました』などと言っているので好きにさせているのだが、常に俺の側に居ようとするのだけはどうにかしてほしい。
「何難しい顔をしているのかしら? なんなら今から子作りしても良いのよ?」
そしてあの高慢ちきエルフ様はあの日以降どうやらエルフには珍しく発情期に突入したらしく俺は出来る限り無視を決め込んでいる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます