第40話 勘違いを正してやるべき

「ぐびほぉっ!?」


 なので俺は父親をぶん殴る事にする。


 どの面下げて言っているのか。 流石にウザすぎる。


「そんな分かりやすい嘘に俺が騙される訳がないだろう? それとも、こんな子供の吐くような嘘の方がまだマシだと思えるような酷い嘘で俺を騙す事ができるとバカにしているのか? あ?」

「そ、そんな事など少しも思っていないぞっ!? そ、そうっ! これはあえてお前に与えた試練だったのだっ! 今までこの苦しくて辛い試練を良く耐えて来たなっ!! でもこれでお前は俺が与えた試練をクリアしてこれほどまでに立派になっていた事に父親ながらぁぼほぅっ!?」

「一回言ってもまだ分からないのか? そんな子供ですら騙されないような嘘に俺が引っかかる訳がねぇだろ。 同じことを何度も言わせるな」

「き、貴様……こっちが下手に出ていればつけあがりやがって……」

 

 まだグダグダと思ってもいない事を言い続ける父親の左頬を叩いてやると、父親の薄っぺらな仮面は直ぐに剥がれて俺を睨みつけながらまるで自分の方が立場は上なのに俺の為に下手にでているかのような事を言うではないか。


 流石にお互いの立場を勘違いしたまま一緒に暮らす事は出来ないのでここはしっかりと勘違いを正してやるべきであろう。


「ん? 下手? 勘違いしているようだが俺は今実際にクヴィスト家の当主であり、この家では実質一番偉い存在になった訳だけど、その俺よりもお前が立場が上なわけがなく、当然下なわけで、下手に出るのは当然のマナーなのでは?」


 しかしながら、まさかここまで物分かりが悪いとは俺の親ながら残念な父親である。


 今この状況で父親であるという立場が利用できないと分かると既にクヴィスト家を引き継いでいる俺に権力でどうにかしようとする思考回路になってしまうほど、こいつは今までこうして他人に対しても同じように圧力をかけて思い通りに動かして来たのであろう。


 本当にクズとしか思えないので俺は殴る時に罪悪感が湧かないどころか正義の鉄槌をしているのだというある種の、復讐を成し遂げている快感とは別の快感を感じてしまう。


 まぁ、こいつ等みたいに下の者に権力や暴力を無闇に振りかざして悦に浸るような悪趣味な行動は取ろうとすら思わないので俺に噛みついて来ない限りは殴らないし権力を振りかざしたりしないのだが。


 しかしながら俺の教育方針は言って駄目なら身体に教えるという方法であるのでそこは変えるつもりはない。


 そもそもこういう奴らは実際に痛い目を見ないと分からないだろうし。



 ────────


次話で家族編が一旦完結です( ^ω^ )ノ


さぁ、脳みそ空っぽにしてブックマークするのです٩( ᐛ )و

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