第22話 初めての初めての感覚
え? それって俺にメリット無くね? むしろ変なストーカーが出来てしまった時点でデメリットしかないんだが?
「あら? ご主人様から命令されたからではありますが、折角手取り足取りナニとりで懇切丁寧に教えてあげたというのに何でそんな、まるでゴキブリを見るような目で私を見ているのかしら? 言っときますけど私は何回隷属関係を解術しようとしても受け入れないわよ?」
俺が口にもしたくない為あえて『G』と表現していたのにも関わらずこの駄奴隷様は何の躊躇いもなく『ゴキブリ』と言いやがったではないか。
そしてなぜか尚も頑なに奴隷から解放される事を受け入れようとしないシシルなのだが、なぜ奴隷から解放される事を受け入れられないのか未だに理解できない。
本人自体はプライドを傷つけられたからその尊厳を取り戻す為的な事を言っていたのだが、俺からすればそんなプライドなんか犬にでも食わしてしまえば良いのにと思うわけで。
プライドで自分の行動を制限されたりしてしまうのは馬鹿らしい。
しかしながらこのプライドを傷つけられて自殺をしてしまうのは前世でもいたのでそういシシルもそっち側の人間なのだろう。
そう思ってもシシルに関してはそれだけではないような気がするのだが気のせいだろうか?
「もう分かったよ。 だがもし隷属関係から解放してほしいと思った時はいつでも言ってきてくれて良いからな」
「えぇ、その時はきっとご主人様が私の身体無しでは生きられない時だと思いますので逆にご主人様を私の奴隷にしてあげるわ。 あぁ、今からその時が楽しみで仕方ないわね」
「いや、流石にそうはならないように気をつけるよ。 てかシシル体調は大丈夫か? 顔が赤くなっていて息も荒いように思うのだが?」
「あぁ、これはご主人様に命令されて興奮してしまっただけだわ。 初めて感じる感覚なのだけれども、こう、隷属状態で人族から命令されて、その命令を断る事ができないという状況がなんと言うか、身体の奥底からゾクゾクと快感が昇ってくるような感覚……癖になりそうだわっ」
どうしよう……シシルは『初めての感覚』だと言っていたように自分自身まだ気づけていないようなのだが、これってどう考えてもマゾ属性持ちだよな。
やばい、シシルがマゾ属性持ちだという事に気づく前にこの変態を逃したいんだが……。
というかこれって俺がシシルに命令する度に、変態に餌を与えてしまうという事ではなかろうか? これでは先程のように軽い気持ちでシシルに命令できないではないか。
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