第20話 あらあら、まぁまぁ
しかしながらこの俺の部屋には防音は勿論の事、他人は入室できないように結界を張っているのだがどうやって、それもこの家の住人に見つからずに入って来れたのか疑問ではある。
そこを解決しないといくら追い出してもシシルはまたやって来るだろう。
某黒光しながら高速移動をするGと同じだ。 駆除するだけでは意味がなく、その発生源から絶たないと何の問題も解決していないのと同じなのだから。
「ちょっとっ!! 今物凄く失礼な事を思っているでしょうっ!? 顔に出ているのだけれどもっ!?」
「うるさいな。 お前を相手にしている程俺は暇じゃないんだよ。 そもそも俺の許可を得ていないのに何で勝手に行動しているんだ? しかも俺の部屋まで押しかけやがって。 てかいったいどうやってこの部屋に入って来たんだ? お前ごときが入って来れるような結界ではなかったはずだが?」
「あらなんだ、ご主人様はそんな簡単な事も分からないのかしら?」
そして俺はこの某Gと同等の存在であると判断したからには発生源から駆除をしてやろうと思いとりあえずシシルにどうやって俺の部屋に入ってきたのかを聞いてみる。
この時相手に頭を下げて聞き出す事ができない人は所詮三流止まりの人間であると言えよう。
大事な盤面であれば腹が立つ相手であろうとしっかりと頭を下げる事ができる人間こそが、長い人生最後まで円滑に生きていく秘訣でもあり、そしてこの時頭を下げてでも得た知識は間違いなく今後の人生において大切な知識として俺をさまざまな場面で助けてくれる事だろう。
シシルの軽い挑発ごときでキレる俺ではないのである。
「あぁ、残念ながらそのようだ。 流石シシルと言ったところか。 まだこの世界に生まれ落ちて二十年すら経っていない俺と違って数百年もの長き年月を生きてきた妖怪糞ババァ、ではなくて生きる大賢者であるシシルにはやはり敵わないな そんな頭の悪い俺にどうかここは教えてくれないだろうか」
あ、危なかった。 途中で俺の心の声が思わず漏れ出てしまうところだったのだが、何とかシシルに頭を下げ、かつ相手を立てる感じで聞くことができた。
「あらあらら、まぁまぁまぁっ! ご主人様はそんな簡単な事も分からないのかしら? ほんと、ダメダメね。 それで、私がどうしてご主人様の部屋に入って来れたか知りたいのかしら?」
「あぁ、知りたいから是非教えてくれないか?」
こいつ、ここぞとばかりマウントを取ってくるので腹が立つのだが、ここでキレたら元も子もないのでグッと堪える。
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