第14話 憤怒

第60階層 ボスエリア 黒繭内部


「俺?俺はラースだ、憤怒ラース

 

「ラース?ああ憤怒ラースか。それで?ここが俺の夢の中ってどうゆうことだ?」


「まあ、夢の中て言っても厳密には夢の中ではない。夢の中みたいな場所だ」


「それで?どうして俺とお前がこの場所にいるんだ?」


「ダンジョンの神の下僕が俺とお前の魂を繋いだんだ」


「魂を繋ぐ?」


「そうだ、魂を繋いで無理やり【覚醒】させようっていう算段らしい」

 

【覚醒】、確か天使武器、呪いの武器の上級、最上級武器や神器をその身に宿したり、武器なしで魂を拡大するスキルだっけ?


「え?つまり俺の体に宿るの?」


「無理、と言うかできない。お前の体は弱すぎる。宿すにしても5分が限界だ。もし5分以上宿したら俺の力に飲み込まれるだろう」


「じゃあどうするんだ?【”強制”覚醒】なんだろ」


「ふん、たかが下僕風情のスキルなんかくか。だが、この場所はある一定の力を身につけると出れないみたいだ。だからお前に他の大罪武器と武具の力の使い方を教えよう」


「力の使い方?」


「そうだ、大罪武器と武具は本来表裏一体なんだ、俺の大罪武器:憤怒の鎌もまた武具の姿がある。

 まあそれはどうでもいい、問題は武具の状態では一部しか武器の能力は使えないということだ。

 武具を武器に変化させるスキルもあるがお前は持ってないだろうし――いやまて、確かお前の近くにギアがいるだろうそいつのシステム外スキルに【主のために】があるだろう、主の望みのため一つだけ固有スキルを授けることができる、と言うスキルだ。

 だいぶぶっ壊れスキルだが危機的状況にならないと発動しない。だが今回はおれが顕現するから言うことは聞いてくれると思うぜ、上位の存在のは逆らえないからな」


「つまり、俺は何をすればいい」


「・・・なにもしなくていい俺に身を任せてくれればいい」


「そうか、最後に質問だ、なぜそんなに協力的なんだ?下僕風情のスキルなんて効かないんだろ」


「・・・俺にはやらなければいけないことがある。俺武器に封印した者たちへの神罰だ」


 神罰?どういことだあいつは神なのか?



―――最上位神一四柱が一柱、憤怒の神・ラースが伝える。 かの身を媒体とし我が身をこの世に顕現させよ―――


  〈システム外スキル【憑依:憤怒の神・ラース】〉


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