第15話 聖物
side 南條優吾
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第60階層 ボスエリア
時は広人が黒繭になるまで遡る
―――武器に宿りし魂よ。 神の代行者たる《ダンジョンの意思》が伝える。 我が声、我が魔力に応え覚醒せよ―――
【代行者スキル:強制覚醒】
「強制覚醒?っまずい!呪いの武器の覚醒か!皆、《
「?何を言っている?飲み込まれなど―――」
「問答無用! 開眼!【魔眼:石化の眼】」
優吾の眼が紫色に光る。
ダンジョンの意思が石化の眼で石化する―――
「効かぬ」
ダンジョンの意思の足が少し石化していたが直ぐに剥がれ落ちた
「少しは人の話を聞け」
そう言うとダンジョンの意思は一瞬のうちに優吾のそばに行き組み伏せた
「何を言う!呪いの武器の覚醒は人を悪魔のごとく姿を変貌させ、あらゆる物を壊す化け物となるではないか!」
「だから、話を聞け!そもそも、貴様らが呪いの武器やらなんやら言っているが、あれは、”聖物”、神が扱っていた武器だ。そこの少年も聖物を持っているだろう」
「聖物?どういうことだ?そこの少年・・・青木君のことか、なら呪いの武器と天使武器は同じ物なのか?」
「呪いの武器や天使武器が何かは知らんが、聖物の上位の物は演算能力として意思があるため無理な覚醒などしないだろう。あるとするならば、魔獣の封印に使った武器と聖物を間違った可能性が一番高いだろう。そもそも、この少年は魂の容量が十分に余っている。最高神、最上級神や上級神ならともかく中級神程度の聖物なら力に飲み込まれる事なく覚醒できるだろう」
そうこうしている間に広人の影が広人をすっぽりおおり黒い繭となっていく
「ふむ、”黒”か、ということは破壊神一派か」
黒?破壊神一派?この男はまだ何か隠している?
「破壊神一派か、あの方の一派は戦闘狂が多かったからなぁ、しかし、破壊神一派の神々たちはたしか、聖戦の時にそのほとんどが封印されたはずだ、まさか神がこの武器に?いや、まさかな。上級神であるダンジョンの神の眷属神であり、中級神の我が負けはしないか」
すると、広人が入っていた黒繭にヒビが入っていく
―――最上位神一四柱が一柱、憤怒の神・ラースが伝える。 かの身を媒体とし我が身をこの世に顕現させよ―――
〈システム外スキル【憑依:憤怒の神・ラース】〉
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