第11話 《ダンジョンの意思》


「《ダンジョンの意思》だと?そんなこと聞いたことねえ」


 紅炎がそう言うが、その横で南條先生がこわばった顔をしている


「・・・なぜ、ここにいる」


 南條先生は何かを知っているかのように、《ダンジョンの意思》に問い掛けるが、ダンジョンの意思は広人を観察していた。


「む?ああ、我に問い掛けていたのか。先程も言ったがイレギュラーの存在を確認したから見に来たのだ」


「イレギュラー・・・そこの少年のことか?」


「ああ、そうだ。お前たちも面白い魂をしている。一人は上級の魂、一人は神格級の魂、ん?いや、既に神格を宿しているな」

 宿していると言われた瞬間南條先生の顔がこわばった。


「残りの四人のうち二人も神格級の魂を持っている。特に面白いのはこの少年だ、この少年は最上級魂を四個持っている。基本的には、最上級魂が二個で神格級魂一個分のエネルギーが同等、つまりこの少年は神格級魂二個分のエネルギーを持っているということになる!四個の魂をその身に宿したらもしかすると、《最果ての塔》をソロで攻略できるかもしれない!」


「・・・それで?その子どうするつもりだ?」


「そうだな。ここで殺してもいいし、生きたままエネルギー源として利用するにもいいだろう。いや、いっそのこと四個の魂を強制的に宿らせるか?だが、それは神の意に反する。ならば、一つだけ《覚醒》させてやろう」


 そう言うと《ダンジョンの意思》は広人の頭を鷲掴みすると何か呪文を唱えた。


 ―――武器に宿りし魂よ。 神の代行者たる《ダンジョンの意思》が伝える。 我が声、我が魔力に応え覚醒せよ―――   

   

 【代行者スキル:強制覚醒】


 《ダンジョンの意思》が手を離した瞬間、広人の影が意思を持ったかのように広人を繭のように囲っていく


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