第44話 つまようじ付きのフルーツのつまようじは地味にありがたい

藍「奏~できたよ~」


奏「ありがとう~!」


削ったかき氷を奏にあげる。


藍「お母さんは?」


奏「もうすぐ来ると思うよ」


お母さん「お待たせ」


藍「何してたの?」


お母さん「ちょっと…手のひらに人って書いて食べてた」


藍「めっちゃ緊張してるじゃん」


お母さん「だって…藍の友達が…しかもこんなかっこいい人と可愛い子とは思わなくて…」


あ~さくらはともかくヒデもがっちりしててカッコいいんだよな。一言話したら残念生物だけど。


さくら「お邪魔してます」

ヒデ「初めまして」


お母さん「初めまして。ゆっくりしていってください」


藍「とにかく、お母さんはかき氷食べるの?食べるなら削るけど」


お母さん「いや、自分でやるから食べてていいわよ」


藍「おけ」


いちごとメロンのシロップをかけて…


藍「2色かき氷~」


ヒデ「頂点にパイナップルも乗せようぜ」


藍「なんでだ?」


ヒデ「信号見たいだから」


奏「んふっ。お兄ちゃん。まだ赤だから食べちゃダメだよ」


藍「それいつ食えるんだよ!!溶けるわ!」


さくら「ふふふ、ダメですよ~氷交通違反です」


藍「知らん法律だしてくんな」


ヒデ「信号は上を通り越せば無視していいんだぞ」


藍「そんなルールはないしそんな人類は想定されていない」


ヒデ「飛行機とかそうじゃん」


藍「…」


さくらを見てしまった。


さくら「航空法というものがありますが…何メートルより上からは適用化とかは知りません。ドローンを上げれるのは150メートルくらいまでだった気もしますが」


藍「そりゃ知らんよな。むしろ良くそれだけ情報が出てきたよ今」


さくら「まあ信号機の上を飛んでいく人用の法律があるとは思えませんので何とも…コメント欄で誰か詳しい人いたらお願いします」


藍「他人に縋るな」


奏「…本当に化け物なんだね」


藍「ほら~!奏が引いてるじゃん!」


さくら「私は悪くないですよ」


ヒデ「俺かよ」


藍「お前だろ」


ヒデ「かき氷溶けるぞ」


藍「あっ!?」


奏「黄色は貰うね」


藍「なんで!?パイナップル!」


ヒデ「じゃあ俺が赤を貰って食べれるように…」


藍「半分持っていく気満々じゃねえか!!!!」


お母さん「おかわりはあるわよ~」


藍「おら、ヒデ行ってこい」


ヒデ「ちぇ~。次はブルーハワイにしようかな」


藍「いいね~爽やかだよね」


ヒデ「ポテチと一緒に食えば…」


藍「爽やかさどこ行った?」


さくら「絶妙に合わなそうですね」


奏「広瀬家ではありえないね」


お母さん「ブルーハワイか~あまり食べないわねうちでは。よく買ってきたね」


奏「私はお母さんと違ってチャレンジして判断するタイプなので」


お母さん「だからガリガリ君コーンポタージュ味なんで負け戦を…」


藍「…」


俺も食べたあれ。


ヒデ「あれ買うやつはバカだろ~」


ヒデが頭悪いブルーハワイ+コーラ+ポテチみたいなかき氷を食いながら言ってきた。めっちゃむかつく。


藍「おま…買ってないのか!?バカ筆頭だろヒデは!!」


さくら「藍君も買ったんですね…」


藍「いや…食べず嫌いは良くないかなと…」


お母さん「誰に似たんだか…」


お父さんの方である。


奏「さくらちゃんはそういうのないの?」


さくら「私はここ最近外れを引いたことがありません」


藍「さくらは自分で作れば美味しくなるからな…」


お母さん「あら、すごいわね…うちでご飯していく?って思ったけどこっちが緊張しちゃうわ」


さくら「いえ、そこまでお世話になるわけには…」


遠慮しながらもかき氷は二杯目だ。気に入ったようでよかった。


お母さん「大丈夫よ~。たまには大人数で食べたいわ」


さくら「ヒデ君はあほ程食いますよ?」


藍「本当に」


お母さん「それは見たらわかるかな」


それもそうか。


奏「さくらちゃんとご飯食べたい~。何なら一緒にゲームしたい!」


さくら「ゲーム?なんです?」


奏「絵具陣取りゲーム」


さくら「…やったことはないですが」


藍「まじ?さくらに勝てるチャンスじゃん。俺もやろ」


ヒデ「おれは?」


藍「コントローラ―壊すなよ。やったことは?」


ヒデ「任せろ。全くない」


とりあえずルールや操作方法を説明する…そして…


奏「じゃあ男女チームで別れようよ」


藍「いいね」


奏「さくらちゃんは私が守る!お兄ちゃんに倒させはしない!」


藍「お前はさくらの何なんだ」


お母さん「つまようじ使ってね」


藍「ありがとう」


さくら「ありがとうございます」


手がべたついてコントローラーが触れなくならないようにだな。かき氷パーティーがゲームパーティーと化した。フルーツがまだ残っているのでそれをつまようじで食べる。


ヒデ「藍と妹はどっちが強いんだ?」


藍「このゲームに関しては奏の方が強い。アクション系はほとんど奏の方が強いぞ。ポ〇モンとか少し頭脳戦混ざると俺が勝つけど」


ヒデ「なるほど…つまり俺にかかっている!」


藍「そういうこと!行くぞ!ミルクチョコレートチーム!」


奏「私もミルクチョコレートだよ~!!!」


藍「だよな~でも今は譲ってよ」


奏「うううう~!じゃあうちはイチゴチョコチームで!」


藍「そんなのなかったでしょ!!?」


奏「だって~」


藍「いや…こんな細かいとこで争っててもくだらないわ。やろう」


ドンパチドンパチ


奏「大・勝・利」


さくら「やりました」


藍「…」


ヒデ「藍~しっかりしろ~」


さくらの飲み込みが早いのはわかっていた。だがヒデの反射速度がすごすぎて食らいついてきた。結果、俺と奏の差が出た。


藍「奏、あとで夜にもう一回やろう」


奏「いいよ~こてんぱんにしてあげる」


お母さん「それで夕ご飯は?どうするの?」


藍「食べていきなよ」


さくら「それではお言葉に甘えて…」


ヒデ「ありがとうございます!」


お母さん「じゃあ買い物行ってくるね」


藍「行かなくて大丈夫?」


お母さん「大丈夫大丈夫。お米炊いといて」


藍「おっけ~いってら」


まだまだ楽しい一日になりそうだ。


奏「ねえ…ヒデ君にス〇ブラ負けたんだけど」


まじか…おれ奏に勝てないのに…


――あとがき――

やばい、楽しくなってきた。みんな可愛い。


面白かったり俺もミルクチョコレート派ですって人は星やコメントやレビューお願いします。

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