第41話 校長先生の話で尺を取るな

今日は来たる終業式。


藍「校長先生のお話か~…」


ヒデ「だるいな」


ルナ「聞き流してればいいんだよ」


ちなみにさくらと菜乃は生徒会の仕事に行っているので今はいない。


校長先生「夏祭りには気を付けるべきことが4つあります」


ヒデ「でた~これ5つ6つあって長引くパターンだあ。何回も繰り返すんだよ」


校長先生「一つ目は熱中症です」


藍「それは間違いない」


ヒデ「なったことねえ」


ヒデのキャラぶれねえな。


校長先生「水分補給はこまめにしてください。美容にもいいです」


ルナ「言われなくとも」


校長先生「二つ目は日焼けです」


里香「それもする予定ないですね」


藍「里香は外に出よう」


ヒデ「日焼けは個人の好みじゃねえ!?」


校長先生「ひりひりしますので日焼け止めを塗りましょう」


ルナ「まあそうだな。大事だな日傘もあると良いぞ」


校長先生「三つ目はプール、海などの水場です。溺れたりします」


藍「高校生への注意とは思えないな」


校長先生「怪我しないように注意してください。海はクラゲなどにも気を付けてください。溺れるときは意外と静かに溺れるのでしっかり人数確認等もしましょう」


ヒデ「そうなのか?静かなの?」


里香「溺水反応って言いますね。高校生が気を付けることではないですが…」


藍「俺がすぐ見つけるから大丈夫だよ」


里香「最悪AED改を使って蘇生もできます」


校長先生「気を付けるべきこと最後の一つは夏祭りです」


藍「気を付けるべきこと?」


校長先生「まず迷子」


ヒデ「なるわけないだろ」


藍「京都を忘れたのかヒデ」


ルナ「まあ…迷子は定番だよな…夏祭りで」


校長先生「当たりの入ってないくじ、擦れる鼻緒、取れない金魚、見えない花火なども気を付けるべきですね」


藍「なんか夏祭りに恨みあるのか?先生」


校長先生「これらのことに注意して楽しい夏休みにしましょう!そして先生方もお子さんがいる方は頑張ってください。夏休みの子供は3倍元気です!以上で終わります」


藍「これさっきまでの注意は校長先生の体験談だな…溺水反応のやつ経験談!?大丈夫か?」


後でさくらに聞こう。


ルナ「校長先生の話すぐ終わったな」


富咲「うん、校長先生に『長く話さないという選択』って本を貸した甲斐あったかな」


犯人はお前か。


富咲「だって時間もったいないし…」


藍「行動に移した例を聞いたことはない」


ルナ「あっさくら」


ホントだ。壇上にさくらが上がる。


さくら「これにて1学期終業式を終わります。後ろの方から退出してください」


もう終わりか…今までで一番スムーズな終業式だな。


富咲「いいね、これくらいで良いんだよ」


それは同感だな。こんなくそ暑い季節に体育館に集まるとか正気じゃない。


藍「あっ」


生徒会の仕事を終えたさくらと菜乃も帰ってきた。


藍「さくら、さっきの校長先生の溺水反応の話って…」


さくら「ああお子さんが一回溺れたことあるらしいですよ」


藍「それって…」


さくら「お風呂でですけど」


藍「大丈夫だったの?」


さくら「はい、すぐ救出したそうです。校長先生がシャンプーしてる少しの時間で溺れてたらしいです」


藍「そんなことあるの?」


さくら「親が自分の体や頭を洗う際、子供に数字を数えてて貰うのには意味があるんですよ」


菜乃「ああ~うちもそれだった。数えてたなあ」


さくら「数える声が聞こえなくなったら何かあったってことですからね。これから親になる方も覚えておいていいと思います」


ためになる話だった。


その後は教室で一番待ち望まぬものを貰って俺たちは下校となる。


菜乃「うえ~…宿題キツ…」


ヒデ「多いな…」


菜乃「ね~別に進学校ってわけでもないのに…」


さくら「…難しくはなさそうですよ?」


菜乃「そりゃさくらちゃんが難しいとか言い出したらみんなできないよ」


富咲「課題をみんなでやる会も必要かもねえ…」


藍「その時は富咲の家集合だね」


富咲「確定?良いけど…」


ルナ「高校生って自由研究あるものなのか?」


さくら「あまり聞かないですよね…」


ルナ「あるぞ…」


藍、富咲「「まじ??」」


さくら「これはめんどうですねえ…」


里香「私これは終わってるわ」


藍「普段から自由に研究してるからね!」


さくら「宿題の進捗が今に限って言えば里香さんがトップなの面白いですね」


菜乃「自由研究かあ…苦手~」


里香「教えましょうか?」


菜乃「巻き込みましょうかの間違いじゃ?でも里香ちゃんが一番慣れてるよねこれ」


里香「論文の書き方も分かりますよ」


菜乃「それはいいや」


さくら「とりあえず宿題消化回は近いうちやりましょう。夏休み終了目前にして追い込むなんて愚かな真似しないように前もってやりますよ」


富咲「そうだね。それがいいと思う。次集まれるのいつ?」


みんなで予定を合わせていく。なんだかんだ忙しいのだが…


富咲「じゃあこの日だね~集合は?僕の家少し遠いでしょ?」


藍「学校でいいんじゃない?そこから車で拾ってもらえば。さくらと菜乃が生徒会終わりになるだろうし」


さくら「それは助かりますね」


というわけで次に会う予定もしっかり決まってから解散となった。

その夜…


奏「お兄ちゃん!」


藍「ん?どしたの?」


奏「私の推理からは逃れられないよ!」


藍「何の話?まじで、マジで」


奏「いつものメンツで宿題をやろうとしてるでしょ!」


藍「なんでわかった!?」


奏「推理した!」


藍「で、ご用件は?」


奏「その勉強会に連れてってください」


藍「なぜ!?友達いないのか!?」


奏「いるよ!いるけど…ルナちゃんとかさくらちゃんに会いたいなあ…ってカクヨム読んでたらさあ…」


藍「まだ読んでたんだ。恥ずかしいんだけど」


奏「いや~お兄ちゃん…中々やるじゃないですか」


藍「ニヤニヤすんな。連れてかないぞ」


奏「それはダメ~お願いします」


すぐさま俺に平伏する奏。そんなにか…


奏「あと私もさくらちゃんに課題を教えてもらいたい…」


藍「それが目的だろお前!!」


奏「いいじゃん!私も恩恵を受けたい~。主人公の妹補正が欲しい!」


藍「主人公の俺ですら補正されてないから無理だ」


奏「でも連れてってくれるんでしょ?」


藍「みんなに聞いてみる」


LINEグループに奏が参加していいかを聞く。


さくら「いいですよ」

ヒデ「お~楽しそう」

菜乃「藍君の妹!?見たい!!」

ルナ「どうぞ~」

里香「大丈夫です」

富咲「大丈夫だよ~。他に参加者増える予定ある人は言ってね」


完全に快諾された。


奏「いい人達だね~」


藍「…ちゃんと宿題やれよ」


奏「もっちろ~ん」


――あとがき――

奏参戦!

溺水反応はマジ気を付けて。って〇イド・フォージャーが言ってました。


面白かったりこの校長先生いいなあとか思った方は星やコメントやレビューお願いします。

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