第38話 和服の良さがわかるのは高校生くらいから

藍「ねえ?前話のルナの発言覚えてる?また買い物回をする気か?ってやつ。てか夏休み突入して~って流れじゃん?」


さくら「しょうがないじゃないですか…!」


俺はまたさくらと買い物に来ていた。だが今回の目的は…


さくら「私…浴衣なんて持ってないです!」


藍「そりゃ俺もだ」


さくら「だろうなって思ったから誘ったんですよ」


藍「菜乃は…持ってそ~」


さくら「菜乃は持ってますよ。家に遊びに行ったときにありました」


藍「…それ描写した方がいいんじゃ?貴重なていていじゃ?」


さくら「まあそれはいずれ。富咲君もどうせもってるじゃないですか?」


藍「衣装部屋があるくらいだしな」


さくら「里香さんは多分白衣じゃないですか」


藍「それは偏見じゃない?」


さくら「ヒデ君は動きやすい私服で来ると思うんですよ」


藍「それはわかる」


さくら「藍君しかいなくて…」


藍「…」


こう説明されると…納得の人選だな。でも気になることがある…


藍「これ作者が書きやすいからじゃない?」


さくら「それは1話からずっとそうです」


そうだった。


さくら「さて…浴衣はやっぱ色が大事ですよね…あと値段」


藍「ピンキリだけど揃えると高いよなあ…女性用は小物も多いし」


さくら「そうですよ!よくある浴衣デートとかどれだけ女子が大変か分かったほうが良いです!」


藍「それは…すいません…」


さくら「なんで藍君が謝るんです?」


藍「世の中の男性を代表して?」


さくら「烏滸がましい」


藍「悪かったな!」


さくら「あっここですね呉服屋」


藍「しっかりしたところで買うんだね」


さくら「まあ私は身長止まってますし…長く使えるので」


藍「そうなんだ…」


さくら「藍君はまだ伸びてるんですか?」


藍「中学で伸びたから失速してはいるんだよね。じわじわ~って感じで伸びてはいるよ」


さくら「高いですから藍君は別のとこでも…」


藍「いや、いいよ。バイトしてるし」


さくら「そうですか…お付き合いありがとうございます」


藍「いやいや、俺はさくらのセンスにあやかりにきたから」


さくら「随分信用してくれますね。ていうか今更ですけど…その服着てきたんですね」


俺はこの前、さくらに選んでもらった服で来ている。でもそれは…


藍「さくらだってそうじゃん」


さくらも一緒だ。あの時買った服で来てる。


さくら「…よく覚えてますね」


藍「そんなに昔の話じゃないでしょ」


さくら「それでも覚えてない男性の方は多いと思います。意外とモテるタイプですか?」


藍「ラブコメの主人公やらせてもらってます」


さくら「ふふ…そうでした」


話しながら浴衣を物色していく。店を1周手早くしたところで…


さくら「…」


あれ?


藍「さくら?どうした?」


さくら「難しい…」


藍「!?」


あのさくらが困ってる?


さくら「普通の服とは違う難しさが…浴衣だと髪型も多分変わるから…えっどうしよう」


藍「珍しい…この前はほぼ即決だったのに」


さくら「私も驚いてます。すぐ決めれると思ってました…」


すぐ決めてご飯かな~とかの予定だったので今はまだ午前中である。


藍「ゆっくり決めよう。長く使うんでしょ?」


さくら「大丈夫ですか?予定とか」


藍「うん、大丈夫。のんびりしよ」


さくら「はい。じゃあまず藍君のから決めましょう」


藍「なんで!?」


さくら「ちょっと参考にします」


藍「女子と男子のはだいぶ違うと思うけど…」


さくら「和のイメージ補強です」


藍「…ごめんその感覚が俺にはない」


さくら「まあまあ、無難な黒とかから着てみてください。着方わかります?」


藍「わかるわかる」


さくら「ダメなら手伝ってあげます」


藍「その時は店員に頼むわ」


試着室の中に入る。


一方待つことになったさくらは…


さくら「一応男子の着物系の着方も調べてはきたんですけどね~」


とか言いながら店内を見て回る。と言っても今は男性用の小物を見ている。


さくら「扇子…センスが問われますね」


作者(ツッコんだほうがいい?)


さくら「別にいいですよ。独り言なので」


作者(そう…)


さくら「袴…個人的には好きですが…私の好みで出費させるのは…」


藍「へえ~」


さくら「げ!?聞いてました?」


藍「うん。俺も袴好きだよ。合気道って感じで」


さくら「発言レベルがヒデ君」


藍「じゃあ前言撤回で」


さくら「ふふ…」


藍「似合ってるやつ見つけてくれたら買うよ」


さくら「え!?わざわざ…いいですよ」


藍「袴着てたら他の人たちより1つ上感ない?」


さくら「まあ祭りで着てる人はそうみないですよね」


藍「他より上のお洒落…」


さくら「そんなことのために…意外とお金遣い荒いタイプですか?」


藍「そんなことないと思うけど…」


さくら「バイトして金銭感覚が狂ったんじゃないですか?」


藍「さくらが袴とか言いだしたのに…あと俺の試着についてコメントしてくれないの?」


さくら「アッ忘れてました。でも黒だと…なんか暗いですね」


藍「少し思った。他の色の方が良いかな?少し明るくする?」


さくら「紺とかベージュとかでしょうか?少し緑っぽいのもありますが…」


藍「緑が似合う自信はないなあ」


さくら「白もありますよ」


藍「勘弁」


さくら「水色っぽいのとか青緑もありますね。ここら辺は意外と似合う気もします」


藍「楽しくなってない?」


さくら「正直」


藍「成人式とかにも着ていきたいんだからさ」


さくら「え?多分それは無理ですよ?」


藍「そうなの?」


さくら「浴衣は夏に着るもので薄物ですので…成人式って冬ですから多分無理です」


藍「そうなんだ」


さくら「そこらへんは知らなくてもしょうがないとは思います」


藍「着方は調べたのになあ…」


さくら「ふふ、夏っぽいやつを選んでいいので少し明るめの色にしましょう」


藍「ヘイヘイ」


俺はこっからしばらく着せ替え人形になった。


――あとがき――

全力夏祭り。さくらと藍が浴衣を持っていないのは解釈一致でしたでしょうか?


面白かったり何これ可愛いって思った方は星やコメントやレビューお願いします。

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