第35話 母音が一緒だとたまに間違える

富咲「あっ」


ルナ「おっ?なんでこんなことにいるんだ?関係者以外立ち入り禁止だぞ?」


富咲「ここ僕のお父さんの会社だから…」


ルナ「流石ボンボン。親の付き添いか?」


富咲「うん、見せれる仕事にはよく連れてかれるよ」


ルナ「大変だな」


富咲「そっちこそ収録でしょ?お疲れ様」


ルナ「ほんとだよ、大変ったりゃありゃしない」


富咲父「ん?どうした?優太」


富咲「お父さん、ほらクラスメイトのルナさん」


ルナ「華澄ルナです」


富咲父「ああ!最近すごい人気出てる子か。歌も上手いんだよね。番宣で出てたバラエティも観たよ。面白かった。今日も収録かな?頑張って」


ルナ「ありがとうございます」


富咲父「優太は少し自由にしてていいぞ」


富咲「え?」


富咲父「折角知り合いにあったんだし話しとけ」


富咲「ええ…」


ルナ「…あたしの楽屋来るか?」


富咲「いいの?」


ルナ「何もないけどな」


富咲「少しでも休んだら?」


ルナ「それはお互い様だろ。間の時間あるから時間潰すのに付き合ってくれ」


富咲「そういうことなら…行ってくるお父さん」


富咲父「おおいってら」


ルナさんについていって楽屋の中に入る。


ルナ「ふう~やっと落ち着いた」


富咲「すごい声かけられてたね…」


ルナ「ほんっとに挨拶大変。勘弁」


富咲「あはは…」


ルナ「やっぱボンボンのお父さんは退学騒動とかもあったとはいえすごいな」


富咲「ん?なんで?」


ルナ「私のこともしっかり覚えてた。芸能人として有名ってだけじゃなくちゃんと知られてる感じ。歌が上手いとか調査の時の情報だろ。よく覚えてるよ」


富咲「仕事ができる人なのは間違いないからね…」


ルナ「あ~収録やだな…あたしは若手の部類だから気を使うんだよ…」


富咲「結構ずけずけ言うキャラじゃないっけ?」


ルナ「失礼になりすぎないようにしないといけないし裏はそれなりに敬語使う」


富咲「うげえ大変」


ルナ「だからボンボンみたいに気楽に話せる相手はかなり助かる」


富咲「役に立ててたなら良かった」


ルナ「さてと…アンケート書くか」


富咲「ああ…なんかあるらしいね番組に向けての質問みたいなのが」


ルナ「そうそう。ボンボンも考えてくれ。困ったら使う」


富咲「いいの?」


ルナ「テレビショーだし大丈夫だ」


質問1:ここ最近で面白かったエピソード


ルナ「ボンボンの退学騒動でいいか?」


富咲「あれをテレビで披露するのは無茶じゃない?」


ルナ「じゃあテストの話か?」


富咲「僕は悪くないからね?」


ルナ「あたしだって少し上がったし」


富咲「それ面白いエピソード?」


ルナ「確かに少しパンチが弱いな。掃除でヒデがゴミごと壁を削った話は?」


富咲「信憑性なさすぎるでしょ。ヒデ君を知ってる人にしか通じないよ」


ルナ「あ~最近みたM1の話でいいかな」


富咲「他局じゃん」


ルナ「そうなんよ…ボンボンはなんかない?」


富咲「う~ん…この前に知らない人の会話で盗み聞きしたんだけどさ」


ルナ「ん?」


富咲「『愛してるよバニラ』って歌ってた人がいたんだよね。味の好みは聞いてねえよって思った」


ルナ「ぶっ!!」


富咲「きゃないきゃないやるっきゃないの方が混ざってるよね多分」


ルナ「いいじゃん…使っていい?それ?」


富咲「どうぞ」


ルナ「あとで2曲とも聴いておこ、下手したら1フレーズくらい歌わないとだわ」


富咲「真面目」


ルナ「ハイハイ、次の質問行くよ」


質問2:今日の朝ご飯は?


ルナ「なんだこの質問。パンにバターとサラダだ」


富咲「オムレツとご飯とサラダとエビチリ」


ルナ「一つ一つは庶民的だけど朝食で出てくるのすごいな」


富咲「でもこの質問は本当になんなんだろう?」


ルナ「知らん」


質問3:好きな異性のタイプは?


ルナ「こういうこと聞かないやつ」


富咲「んっふふふふ」


ルナ「どいつもこいつも大好きかよ。合宿回ですでに話しただろ」


富咲「テレビ局にその文句を言うのは筋違いでしょ」


ルナ「こういうこと聞かないやつでいいや。ボンボンが笑ったから多分笑いは取れる」


富咲「いいんじゃない?司会の人困るだろうなあ…」


ルナ「知るか」


質問4:美容で気を付けていることは?


ルナ「保湿、運動、睡眠、健康的な食事」


富咲「…」


ルナ「ボンボンは言わなくていいぞ、この質問で戦力になるとは思えない」


富咲「僕も戦力になれるとは思えない」


ルナ「あと小顔マッサージはしてるか」


富咲「努力の賜物だね」


ルナ「まあ生まれつきのものもあるけどな」


富咲「それ収録で言わないでね」


ルナ「当然」


質問5:本日は共通テストです。受験生に一言


ルナ「急に時空超えたな」


富咲「僕たち高校生なんだけど…」


ルナ「でもまあ頑張れ。出し切れ。甘いもの食え」


富咲「手に人って3回書いて食べると落ち着くよ。最後にチェックするのは時間配分かな…わからないところは飛ばして。1点でも多くとれるように応援してます」


ルナ「ボンボンのコメント採用」


富咲「ありがと」


マネージャー「ルナ~そろそろ時間」


ルナ「は~い。じゃあなボンボン。ありがとう」


富咲「こちらこそ、頑張ってね」


――あとがき――

受験生の皆さん、共通テスト頑張ってください。

受験が終わって笑えるように願っています。笑わせれるものを書けるように頑張ります。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る