第25話 授業って退屈

ヒデ「お腹いっぱいになったら眠くなってきたな…5限は寝るか」


藍「正気か」


5限の生物が始まって早々になんか聞こえた。


菜乃「今習ってる生物の授業でヒデ君の生態を解明できたりしないの?」


今やってる生物。黒板を見る。


藍「知らんがな。ヒデが染色体を50本持ってても驚かねえよ」


菜乃「人間は46本なんだね~」


藍「遺伝の話ならヒデの親がどんな人なのか見てみたいな」


菜乃「確かに、ヒデ君の家族全員が超人だったりするのかな?」


藍「それか突然変異か…」


ヒデ「ミュータントじゃない!ただの僕だ!」


藍「急に悪役になるな」


菜乃「起きてたんだ」


ヒデ「お前らの会話は面白から聞いてられる」


藍「嬉しいけど授業してる先生の前でそんなこと言わないの」


先生ちょっと凹んじゃってるじゃん。


里香「染色体を増やすですか…それは考えなかったですね…」


さくら「止めましょうね。倫理的に」


なんか不穏な会話が聞こえたが…さくらがいるから良いか。


ルナ「あいつらうるせえな~」


富咲「あはは…さすがだよね…」


あそこはなんか落ち着くな。見ての通りさくらと里香、ルナと富咲で席がそれぞれ近い。


菜乃「でもいいんじゃない?勉強になるお喋り回」


藍「別にカクヨム読者は勉強するために読んでるわけじゃないと思うぞ」


ヒデ「でも学びになるってのは大事だろ。漫画で分かる!とかあるし」


藍「そりゃそうだけど…」


さくら「その路線もありですがその場合、作者は生物が苦手なので違う教科にするために5限をカットすることになります」


それはどうなの…


ってそれより


藍「なんでさくらとは席が離れてるのに声が聞こえるの?」


里香「私が補聴器と無線を合わせて…」


またか…


菜乃「でも私たち何もつけて無くない?」


里香「はい、骨伝導で…伝えてます。逆に私たちが菜乃ちゃんの声を聞けるのは補聴器の力で声をピンポイントで聴き分けて集めてるからです」


ルナ「骨伝導?ああ今流行りの」


富咲「落ち着いて、まだ長距離スナイプできる骨伝導は聞いたことない」


藍「補聴器って声を聞き分けて収集する機械だったっけ?」


菜乃「大体あってる?」


藍「あってる?規模がおかしいのか?ていうかどうやって聞き分けてるんだ?」


里香「声紋ですね」


藍「声紋とられたことあったっけ?」


里香「何言ってるんですか、こんなに一緒にいたんですよ?声紋の1つや2つ取りますよ」


菜乃「そんな当たり前みたいに言われても…」


里香「菜乃ちゃんに関してはお母さんに声取られてるから…」


菜乃「えッ怖い」


ちなみにこれ授業中である。もう何でもありだなこれ。


さくら「でもこれさえあれば授業中でも解説できますよ」


菜乃「ああ!確かに!すごいわこれ」


ヒデ「テストのカンニングできねえ?」


里香「テスト中にひそひそとはいえ声出す気ですか?無理です」


ヒデ「あっそっか」


さくら「それでも授業中にわからないことあったら聞くくらいの使い道はありそうですね」


新しい勉強形態だ。ていうかこれすごくないか?全学校で導入すればいいのに。


俺も授業がそこまで好きというわけじゃない。仕方なく聞いてる感じだがこれは意外と楽しいかもしれない。


とか考えてたらチャイムが鳴った。


藍「あれ?もう終わりか」


時間が経つのが速かったな。


里香「いや…私が間違えて鳴らしちゃいました」


藍「おい…喜んじゃったじゃないか」


ルナ「それな」



あれ?


藍「あれ?」


ルナ「あれ?」


ルナの声しか聞こえない?

他は?


聞こえてなさそう。って里香がゴソゴソし始めた故障だなこりゃ。


藍「なんでルナとだけやり取りできるんだ?」


ルナ「わからんがそういう故障だろ」


藍「なんかこうなると急にドキドキする」


ルナ「こっそり手紙回すやつに似てるよな。懐かしい」


藍「ね、どうでもいいことしか書いてないのに」


ルナ「最近は骨伝導でやるんだな」


藍「それは絶対違う。そういう冗談も言うんだ」


ルナ「トーク力は芸能人としては必要だからな…このメンツでいると鍛えられていい」


藍「鍛えられるのは多分ツッコミ力だよ」


ルナ「藍といるときだけはボケに回れそうだ」


藍「過労死しちゃうから」


ルナ「ふふ」


藍「最初はギャルだと思ったのに」


ルナ「あ゛あ゛!?」


藍「そう、こんな感じ」


ルナ「おい!!」


藍「意外と優しい普通の女の子だったね」


ルナ「普通と言われるか」


藍「俺の意見だから。アッあとうちの妹がサイン欲しいって言ってる」


ルナ「ああ、それならいいぞ」


藍「助かる。奏が喜ぶよ~」


ルナ「奏って言うんだ。いい名前だな」


藍「確かに。中身はだらしない女子中学生だけど」


ルナ「そんなもんだろ。今何年生だ?」


藍「中2だよ。来年受験生だね」


ルナ「ここくるのか?」


藍「あ~くるかもなあ自由なとこだもんなここ」


ルナ「いいと思う。彼氏とかいるのかな?」


藍「いないだろ…って思ってしまう」


ルナ「わかんないぞ~」


藍「おい、やめろ」


さくら「あの~もう繋がってるんですけどいちゃいちゃしないでもらえます?」


藍、ルナ「「はう!?」」


菜乃「うわ~隙があればこれだ~」


藍「そんなジト目で見ないで」


――あとがき――

話してるだけで終わったぞ。どうなってるんだ?


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