第7話 写真撮影に慣れる人ってどういう生き方してるの?

朝になって俺たちは宿の朝食を食べていた。


菜乃「朝ごはん美味しいね」


藍「ほんとにね。アッ富咲、袖気を付けて」


富咲「おお、ありがとう」


ヒデ「こういうところの朝食っていっぱい食べれるからいいよな~。みんなは朝からそんなに食べられないとか言うけど俺はこっちの方がありがてえ」


里香「じゃあこれ食べてもらっていいですか?」


ヒデ「いいのか?ありがとう!!」


藍「なんか変な化学物質入ってたりしない?」


里香「藍君の体内で強制的にやばいの作ってもいいんですよ?」


藍「ごめんって…」


ほんとにできるから怖い。


里香「私、少食気味だしナスは少し苦手なんです…」


ルナ「栄養あるのに…もったいない」


里香「ルナさんは結構食べますよね。好き嫌いとかもないんですか?」


ルナ「あまりないぞ。芸能界にいるせいで舌は肥えてる方だと思うが、ここのは十分美味い」


里香「それでそのスタイルですか…すごいですね」


ルナ「運動してるから。食べる量を少なくするよりよく食べてよく動いた方がいい」


ヒデ「同感だな」


富咲「耳が痛いなあ…」

藍「ルナって意外と真面目?」


ルナ「黙れ」


藍「さーせん」


菜乃「はあ~私も見習った方がいいかなあ…最近運動不足気味だし」


菜乃はどうせほとんどの栄養が胸に行くからいいのでは?とはさすがに口に出さないが…


藍「そういえばみんなは部活とか入ってないの?」


里香「私は科学部を除籍されました」

富咲「一応僕はもう経営とかについて勉強させられてて…」

ルナ「芸能関係でそんな時間ない」

ヒデ「なんか入れてくれない」


富咲とルナは真っ当な理由だな。里香に関しては部員のファインプレーとしか思えない。ヒデは…


さくら「ヒデ君はバランス調整でしょうね」


藍「ありがとう解説。でも俺の心読まないで」


さくら「いえいえ、朝飯前です」


菜乃「朝ごはんは今食べてるけど…」


スルー。


藍「さくらは部活入ってる?」


さくら「私と菜乃は生徒会に所属しているのでその暇はないですね」


藍「なるほど…え?菜乃も?」


菜乃「そうだよ~?」


ルナ「この学校が急に不安になる情報がきたな」


菜乃「どういうこと!?」


さくら「仕事は遅いしドジも多いですがまあ清涼剤みたいな役割は果たしてますよ。私がいれば仕事が終わらないってことはありませんし」


ヒデ、藍、富咲「かっけえ」


菜乃「藍君は?その視野なら団体競技とか活かせそうだけど」


藍「俺は帰宅部だな。図書委員は入ってるけど楽だし。本読んでる」


さくら、ルナ「さみし」


藍「ちゃんと朝に軽くジョギングとかはしてるから」


ルナ「そうなんだ。今度一緒に行くか?」


藍「いいね」


ヒデ「俺も行く~!」


藍、ルナ「「それは勘弁」」


絶対俺の全力疾走より速いだろ!ヒデのジョギングとか。


ルナ「というわけで行こうなボンボン、菜乃」


富咲、菜乃「「え??」」


ルナ「運動不足なんだろ?それにあたしが藍と二人きりで走ってたら文〇砲食らうだろ」


菜乃「リアルだなあ…」


さくら「でもいいですね。みんなでジョギング回は面白そうです。この合宿中も朝抜け出して走ります?」


藍「委員長の発言かそれ」


さくら「ふふっ。そろそろご飯の時間終わりですよ。喋ってないで食べてください。残さないように。ただでさえ既に1000文字越えのお喋りをしてて食事マナーとしてはよろしくないのですから。」


一同「「「「「「はーい」」」」」」


もう慣れてきたこの感じ。


さくら「これから荷物をまとめたら自由行動になります。15時までに戻ってきて奈良に移動です」


菜乃「結構時間あるよねえ。まあ色々見て回りましょう」


ルナ「最強のアッシー君がいるしな」


最強のアッシー君とは…


富咲「じゃあよろしくねセバスチャン」


セバスチャン「お任せください」


富咲の執事、セバスチャンのことである。

何とこの自由行動、富咲家の車で移動するという暴挙に俺らは出る。その運転役がセバスチャンだ。


さくら「じゃあ行きますよ。向かうは金閣寺です」


藍「初っ端からクライマックスだね」


さくら「はい、どうせ私たちの旅なんて予定通りいきませんので行きたいところ、良い感じのところは先に行っといたほうがいいです」


藍「否定はしないよ」


俺たちは一生乗る機会ないだろうなって感じの長い車に乗り込んだ。

そして程なくして…


セバスチャン「到着でございます」


一同「「「「「「ありがとうございます」」」」」」


富咲「ありがとセバスチャン。少し見て回るから休んでて。戻るときは連絡するから」


セバスチャン「かしこまりました坊ちゃま」


そうして金閣寺にたどり着いた俺たち。ちなみに今日の天気は見事な晴れ。そのため本当に輝いている。


ヒデ「すげえな…金ぴかじゃねえか。綺麗だな」


菜乃「1日でいいから住んでみたいよねこんなところ…」


藍「緊張して動けなくなりそう」


菜乃「あはは、それは言えてる」


俺たちがそんな庶民的な反応をしている中…


富咲「綺麗だなあ…作ろうかなあ…」


里香「いいですねえ、金って熱や電気の伝導性が良かったり展性、延性に優れてたりで優秀な金属なんですよ~。欲しいな~」


明らかに間違ったことを考えている人間がいる。


藍「金ってのは富の象徴だもんな。富咲もああいうのには憧れるんだ?」


富咲「そうだね、やっぱきれいだなって思うし見せびらかしたいよねこんなの持ってたら。でも実は金より高い金属もあるんだよ?」


藍「そうなの?」


里香「白金…いわゆるプラチナですね。セシウムも高いです。どっちも欲しいです」


富咲「うん、だから白金閣寺を作ったら最高級だね。セシウムはよく知らないや」


里香「色々な用途がありますがあまり知られていないのも無理はないです。原子時計とか…」


菜乃「里香ちゃんこういう時は饒舌だなあ」


さくら「理系科目は私より成績良いですからこの人」


そんな話をしてると…


菜乃「ねえねえ、写真撮ろうよ!せっかくなんだし!ちゃんと楽しまなきゃ」


というわけで写真撮影。

自撮りが一番うまいのはルナか菜乃かなと思っていたところで…


里香「では少し待ってください」


ウイーン


里香の取り出したカメラから三脚のような足が生えてきた。


里香「では撮りましょう、あと5秒です」


里香が小走りでこっち側に来てポーズを撮る。

そして誰もツッコまないまま…


菜乃「はいチーズ」


カシャ


ウィーン


そのままカメラの起動音がする。

そして…

写真が7枚プリントアウトされて出てきた。


ルナ「うわ、画質良。これテレビ業界に売らない?」


藍「そこか!?そこなのか?最初にツッコむところ!」


ヒデ「藍は何を驚いてるんだ?チェキだってあるし星を観察する人とかはあんな感じの三脚持ってるじゃないか」


藍「バカ!手のひらサイズのカメラから脚が生えてきてプリントアウト機能もあるのがやばいんだよ!どこにそんな機能詰める余裕があるんだあれ!!」


菜乃「待って藍君だけ目線が変だよこの写真(笑)どうしたのこれ」


藍「え?ちゃんとカメラ見てたぞ?」


さくら「視野広いから…ぷぷぷ…ちょっと目線ずれててもカメラ見てるつもりになっちゃたんですね…」


ルナ「間抜け面だなあ…(笑)あはは」


藍「…次から気を付けるわ」


思い出なんていらん


――あとがき――

よく食べてよく寝るとただの堕落した人です。

作者のことです。ルナを見習って頑張ります。


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