第8話 「ちょっと待っててね」と「ちょっと行ってくる」は迷子フラグ
さくら「少しだけいいですか?皆さんはお土産屋にいていいので。私は御朱印貰ってきます」
意外な趣味であるがさくらならあり得そうとも思う。
藍「おっけ、このあたりにいるから」
さくら「はい、ありがとうございます。行ってきます」
そしてこのあたりという言葉の認識の違いを俺たちはすぐに思い知る。
富咲「お土産かあ…お手伝いさんに買うものってなにがあるんだろ?」
藍「お手伝いさんがいるのが当然と思うなよ?家族には?」
富咲「僕の家族は色々なとこ行きすぎてて今更京都土産で喜んでくれるとは思えない」
藍「…お前も大変だな」
富咲「ほんとにね。こう…ヒデ君みたいにバカだったらいいのかも」
ヒデ「木刀買っちまった」
藍「それほんとにやるやついるんだ」
ルナ「ほんとにヒデはあほだな」
と言いながら大量の八つ橋を持ったルナが現れた。
ルナ「現場への差し入れ用のお土産だこれは」
藍「芸能人って大変だな…」
菜乃「私はこれ~!」
藍「油取り紙…らしいっちゃらしいけど…」
菜乃「お母さんにも頼まれてるんだ」
藍「なるほど…」
富咲「里香さんは?」
里香「私は…これ…」
少し照れながら出てきたのは…京都の風景を使ったパズル。
藍「こういうのやるんだ?研究だけの人かと思ってた」
里香「結構好きですよ。自分で作った感が出るので。自分の家が自分の作った物で溢れていく感覚が好きなんですよ」
藍「ちょっと理解できないなあ…」
ルナ「あれ?ヒデは?」
藍「トイレ行ってきてから街並み見てるって…」
ルナ「ふ~ん?街並みって…どこまで行く気かな?」
藍「そりゃこの辺…あれ?あいつにとってのこの辺ってどの辺?」
うわ油断した!あいつどこ行きやがった?!
藍「くっそ、里香!ヒデに発信機付けてたりしてない?」
里香「藍君は私のことなんだと思ってるんですか!?つけてないです!ちゃんと発信機はカバンの中にあります!」
普通はカバンの中にもないんだよ…というつっこみを俺は飲み込んだ。
急いでヒデの携帯に電話をかける。
藍「出ない…」
なんでだよ!
ルナ「さくらはもう戻ってきてるって、合流してから探しに行こう」
富咲「セバスチャンにも連絡して探してもらってる」
有能だなこいつら。
里香「ドローン飛ばします?」
藍「いや、ここら一帯の監視カメラってハイジャックできる?」
里香「それなら以前にお母さんが日本中の監視カメラハイジャックしてたので…聞いてみますね」
里香がお母さん相手に電話をし始めた。
ルナ「いつか、一回里香の家を吹き飛ばすぞ。監視カメラの一斉ハイジャックとか何撮られてるかわかんねえ」
富咲「芸能人だもんね…」
そんな物騒な話をしながら…
さくら「お待たせしました…まさかこんなことに」
さくらが合流。
藍「作者から情報貰えないの?」
さくら「こういう時はしっかり情報遮断されてます。面倒ですね」
性格悪いな作者!
里香「うん、うん、わかった。ありがと!」
里香の方も話がついたらしい。
里香「スマホで見れるようにしてくれるって!」
藍「よし、全員分のスマホにそれぞれ違う監視カメラの映像映してもらえる?みんなで一斉チェックしよう」
さくら「富咲君、セバスチャンさんを呼んどいてもらえますか?ヒデ君の機動力を考えたら私たちの徒歩じゃ追いつけない可能性が十分あります」
富咲「わかった」
そうして俺たちはみんなのスマホを並べてヒデの行方を追う。
そしてすぐに希望が見えた。
藍「菜乃ストップ!」
菜乃「はい!?」
菜乃のスマホに映されていた監視カメラの映像。小さいしわずかな時間だけど…
藍「これだ、いた」
菜乃「うわあ…よく見つけれたねこれ」
富咲「他の人の分も見てたんだ…」
さくら「流石ですね」
里香「映ったとこから近くてヒデ君の進行方向上の監視カメラ…藍君のスマホに映しますよ?」
藍「おっけ~」
映し出された先にはしっかりヒデがいた。
藍「いたいた。あとは行先追っていけば解決かな」
ゴールが見えてきたと一安心したところで…
さくら「アッ話しかけられてますね」
藍「道でも聞くのかな?見る目ないな。ヒデに聞いてわかるわけないだろ」
さくら「そうですねえ。話し込んで…そしてそのまま車に乗り込んで…乗り込んで?」
藍「ん?」
菜乃「え?」
ルナ「…」
里香「あ?」
富咲「えええ…」
必死に監視カメラを追った結果。ヒデは誘拐されていた。
しかも口八丁で…
藍「いやまあ誘って
さくら「こわ~い大人って言う概念がないんでしょうね…」
ルナ「誘拐犯も見る目ないというか…もはや不幸なのか?」
菜乃「ヒデ君なら1人で何とかしちゃいそうって気もするよねえ」
富咲「でもバカだよ…?」
一同「「「「「……………」」」」」
助けに行くことになった。
――あとがき――
ね?予定通りに行かないでしょ?
監視カメラのハイジャックは犯罪ですので良い子は真似しないでね?
面白かったり菜乃役に立ってなくね?とか思った方はコメントやレビューや星もお願いします。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます