think
深夜、アヤメも寝て、辺りが静かになる。
自身のパソコンを開き、邦子さんから貰ったUSBメモリーに入ったファイルを開いてみた。ファイルの中には父さんの昔の顔写真と経歴について書かれたテキストファイルが入っていた。
一読しようと詳細をみると一部分が抜けていた。
「なんだ、これ?」
経歴が書いてあるのだが、どこか抜けている部分ばかりだった。
読んでみるとあるところからは書かれているものの出生、場所、家族構成に関することが書かれていなかった。
書かれているのは大宮に入った時からだけだった。
それまでは詳細不明ということだろうか?
僕は疑問を持ちつつ、読み進めることにした父はどうやら大宮で研究をしていたが、その際は偽名をつかっていた。
なんで偽名を使う必要があるんだ?
疑問を抱きつつ読み進める。
大宮家の傘下である企業に入った後に僕が生まれている。
その後、御三家の各代表と曳舟での対話。
ここで父さんは情報を持っていると言ったのだろうか。
黒百合、大宮の二家の令嬢から聞いた話を頭の中で整理しながら読んでいく。
それからは経歴が嘘のように書かれていた。父さんはそれ以来、行方をくらましていたが、あるときからまた存在を確認され、他国での政府と反政府組織の対立が有るとそこで確認されていた。
まるで映画の登場人物のような経歴でただそこまで詳しい内容が書かれていない。
ざっくりとしていて、大宮、黒百合は情報をえられなかったということだろうか?
僕はもう一枚の自分の命を狙うDr.シロタの経歴を読んでみることにした。
出生はこの国の地方で大学を卒業後、大宮が持つ企業の子会社に就職、そこから直接、大宮家が持つ研究施設が入った企業へと転職と書かれていた。
分子工学、脳科学と専攻分野は多岐にわたり、天才と言ってもいいんじゃないかと思えるような人物だった。
けれどこんな人間がなんで僕を狙うのだろうか。
確かにバックに天来という大きな組織がいるにしてもさすがにどこか違和感を感じる。
僕はこんがらがった頭を元に戻すため、横になり寝ることにした。
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