第1話

五十嵐唯奈28歳独身、中堅食品会社に勤務する営業マン!

見た目が、童顔で背も小さいため取引先の会社のオヤジキラーであった


負けん気の強さを、隠しながらうまく立ち回って営業部では入社6年のエースであった


「戻りました~取って来ましたよ!サラシナ食品から契約!」


「おぉーさすがうちのエース!よくやった!よくあそこの部長落とせたな」


「ふふっ根気ですよ~めっちゃ通いましたし、サラシナの食品は全部食べて、うちで提案できるものを厳選してプレゼンしました。最後は、土下座でしたよw」


「五十嵐は、ほんとうガッツがあるな!今日は、祝いだな!俺のおごりだ!チームで飲みいくぞ」


「中野部長~うれしい~ありがとうございます!」


新規での契約は、昨今本当に難しく今や、確実な商品以外は売れなくなっていた


(本当は、飲みとかどうでもいい~帰ってビール飲んで寝たい、最近食事が偏りすぎて、外食したくないな~今日は湯豆腐でもしようと思ってたのに、、、)


唯奈は、トイレでため息をつきながら、気持ちを落ち着けていた


「今日も炸裂だったね、ぶりっこちゃん」

「ありがとうございますぅ~とか、マジウザいよね、媚びまくって恥ずかしくないのかな?」

「どうせ契約も、あんな感じで媚びまくってとってるんでしょ、実力ないくせにかわいくすれば、契約とれるなんて世の中甘いよね~」

「飲み会とか、マジめんどくさい。中野部長の『少しは五十嵐を見習って』がまたあるよ~そんなに言うなら、自分もやれっつうの~」

「言えてる~部長もブリブリ媚びて、契約取ってこいって」

「あはは、キモ~」


笑い声が遠ざかってそっとドアを開けた


誰も来ない、非常階段に行き叫んだ


「契約1個も取れないカスどもが!文句垂れる前に働けよ。給料どろぼー!」


はぁ~

深呼吸して、表情を整えてから部署に戻っていった



唯奈が叫んだ、すぐ下の階でひっそり、アイコスを吸っている人がいるとも知らず


「すげ~女がいるな~」


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缶ビールを持ったシンデレラ 井上桃子 @yuki583

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