第3話 異世界で面接(?)始めました。①
店の鍵を閉め忘れたことは夜番の責任者として失格だ。
だが誰にだってミスはある。
それにいきなり店が知らない場所に移動して帰れない時のマニュアルなんてないのだ。
もう経験したし次に同じことがあるのかわからないが今後は気をつけよう。
それよりもだ、目の前の美麗な女性は一体誰なんだ?
女の栗色の髪は腰の位置まで伸びていて陽の光で光っている。
肌は白く、澄んだ翠色の目をして耳輪はとがっていてよくアニメで出てくるエルフのように見える。
服装はゆったりとした着心地がよく体型がハッキリと映らないような格好だ。
それでも体つきの良さはわかるほどスタイルがいい。
いやいかん、初対面だぞ?まずは…
「えっと…あ、あにゃたはどちら様ですかね?何故ここ…にいらしたのです?」
貸田は怒涛のイレギュラーイベントで脳内パニックになりながらも言葉を捻り出し尋ねた。
あにゃたって…変なところで噛んで恥ずかしい。
「え?採用担当の方から何も聞いてないのですか?」
「は、はい?何のことでしょうか…」
採用担当?どうゆうことだ?
新しいバイトの面接予定を店長は組んでいなかったはずだ。
それに俺とこの店は何故か見知らぬ場所に…あぁもう思考がぐちゃぐちゃだ。
貸田は困惑しながらもひとつひとつ確認することにした。
「えっと、あなたのお名前は」
「リーズネット・アインス・ドルボーゲン・ナインエッタ二世です」
「は?」
「ですから、リーズネット・アインス・ドルボーゲン・ナインエッタ二世です」
「り、りず…はい?」
「採用担当のカミサマさんから伺っておりませんか?ギルドのアルバイト募集掲示板でチラシを見まして、そのまま窓口から通信魔法を使ってカミサマさんとお話したのですが」
「か、かみさま!?もしかしてあのメールの…!?」
勝手に採用担当と名乗ってとんでもないことをしてくれたものだ。
ていうかギルド?通信魔法?リーズネットアインスドル…名前が長すぎて覚えきれないし出てきた情報が己の理解を超えていることはわかった。
どうやら信じ難いがここは俺がいた日本じゃないのかもしれない。
よく漫画とかアニメである異世界に転移したってやつ…なのかな。
とにかく情報がないからどうにか目の前にいるリーズレットから色々と聞き出さなければ…。
「あの、どうされました?具合でも悪いのですか?また日を改めて面接に来た方がよろしいでしょうか?」
「あー!いや!もう大丈夫です!すみません!是非面接しましょう!リーズレットさんに沢山お聞きしたいことがあるのでどうか帰らないで頂きたいです!」
「あ、はい。あと私はリーズネットです。本日はよろしくお願いします。」
こうして異世界レンタルビデオショップは不安いっぱいで始まるのであった。
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3話目です。
もっともっと案を練らねば。
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