第2話 異世界にレンタルされてました。
えー、事件です。それも大事件です。
私、
何故かって?ホラ、ご覧なさいよこの見渡す限りの闇をね、スマホのライトがあっても意味を成しませんよこの闇は。
パニックです、ええ。貸田はもうダメです。
もう1度何があったか振り返ることにしよう。
俺貸田健はレンタルビデオショップでフルタイム勤務を終えて締め作業を終わらせて店を出て帰路に着く予定だったのだ。
ところが店を出た先にあったのはこの見渡す限りの闇と草原だった。
本来店の周りにはコンビニや住宅が立ち並んでいるはずなのだ。
それなのに店を出たら建造物のひとつも無いただの草原が闇夜の中広がっている。
人の気配も無いし明かりも見えない謎の場所に俺は迷い込んでしまったようだ、何故か店と一緒に。
思考が止まる。
どうしたらいいのだろう。
スマホで連絡…だが圏外で電波が届かない位置にいるようだ。
詰んだ。明らかに詰んだ。
「えーっと…とりあえず店の中で朝まで待機するしかないかな?」
暗闇の中、しかも土地勘もない謎の場所に迷い込んでしまったのだ。
無闇に動くのは得策では無い。
俺は店の中に戻り一晩事務所に寝泊まりすることにした。
「…!!そうだ、PCには何か連絡が来ているかもしれない!」
思いつきで寝る前に店のPCで連絡が出来るか試してみたがネットも繋がらず結局のところどうすることもできなかった。
ただ、メールには神様と名乗る宛先からメールが来ていた。
恐らくはコイツが犯人だ。
コイツから届いたメールから全ての災いは始まっている。
神様絶対に許すまじ。
「今はもう俺には出来ることがない…夢であることを祈り事務所で寝よう…」
事務所に行き机に突っ伏して寝ることにした。
何故か電気と水道とガスは使えるみたいだったので小さいストーブを付けて肌寒さを軽減させて貸田は寝た。
…疲れていたのだろう。
貸田は爆睡して8時間は寝ていた。
起きた頃にはスマホの時計で午前9時30分を回っていた。
寝ぼけながら貸田は
「夢じゃ…なかったのか…」
夢であって欲しかったが全て現実であったことを思い知り絶望する。
「もう朝だろうしとにかく外に出て周りを確認しないと…」
目を擦りながら事務所を出て裏口に向かう。
裏口の目の前に行ってドアノブに手をかけて外に出ようとしたその時!
ガチャッ
え、誰かが入ってくる!?
そうだ!昨日裏口の鍵を閉め忘れていた!
貸田はパニックになり裏口から離れて事務所に隠れようとしたが慌てたあまり足がもつれて転んでしまった。
もうドアが開く。隠れるのは間に合わない。
やばい。もしかしたら今入ってきたやつに殺されるかもしれない。
ドアノブが回りギィィッとドアが開いた。
咄嗟に貸田は叫んだ。
「すみません!!こ、殺さないでください!!」
頭を抱えて精一杯身を守る貸田は謎の来訪者に叫んで命乞いをした。
だが、謎の来訪者は可愛らしい声でこう言った。
「え…ど、どうゆう状況です?」
謎の来訪者は困惑しながらも貸田に声をかけた。
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2話目終了です。
意外とすぐ書けたような。
お話作るの楽しいですね〜!
次の話は10月21日(金)に更新します。
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