第13話狂宴!鉄パイプ女発見!

[chapter:13]


ガレキ女と思わしき人影の所まで足を急がせる鉄パイプ女、デカ男、エンピツ男、サムライ男(爺)

しかし、人影が見えたところ見近づくほど段々と周りの気配がポツリポツリと増えていく


「、、、居るな、5人くらいか?」

おそらく、同じようにガレキ女狙いの連中だろう。しかし俺たちと違うのは、こいつらはガレキ女の賞金狙い。つまり殺すことを目的としていることだ

「えっ、3人くらいじゃないんすか?」

俺達がそう言うとハンッと鼻を鳴らす爺


「バカモン、7人じゃ」

そう言うと爺は腰の刀に手を添えると、、次の瞬間には手の位置が変わっていた。同時に後方でドサリと音がする。

「、、、切ったな、爺」

「え?何をっすか?」

「エンピツよ、お主はこれが終わったら一旦修行し直しじゃ」

爺のそういわれるとエンピツはムンクの叫びみてぇな顔して明らかに気分が落ち込んでいた


「まぁまぁ、エンピツさん。元気を出して」

横にいたデカ男がフォローを入れる

「私なんて1人だってわかりませんでしたから。あなたも十分凄いですよ」

と言われると、エンピツはあからさまに機嫌がよくなりさっきまで落ち込んでいた顔が気付けば前を向いていた


「切り替えが早いね」

「鉄よ、お前もお前で数を見誤るとは。視力が落ちたんじゃないのか」

爺の矛先がこっちに向いてしまったので、何か別の話題に逸らそうとしたその時


「おい!あれジュエリー男じゃないか!」

恐らくガレキ女狙いの誰かが声を上げる。声の方を見ると確かに遠方のビルにジュエリー男が立っていた。

「マジかよ、アイツいねぇんじゃなかったのかよ!」

「おいおい、中止になったんじゃなかったのか?」

周りがどよめき、揺れる

「ふむ、また謎が深まりましたなぁ」

デカ男が指で自分の顎をなぞり考える

「先ほどの人影がガレキ女だとしたら、本来決闘を行うはずだった2人組がここに揃っていることになる。ならばわざわざ取り下げるようなことはせずに戦えばよかったものを」


確かに違和感がある動きだ。

「始めは決闘しようとしたけど、途中で出来ない理由が出来た。けど2人はここにいるってことっすか?」

エンピツがまとめる。がまとめられたところで肝心の答えが見つからない

「考えたってわからんわい。ならば本人たちに聞くのが一番」

爺は腰から刀を外して手に持つ

「ワシとエンピツがジュエリーを抑える、お前らはガレキのところまで行け」

鞘先でガレキ女の方を指す


「えぇ!自分、サムライさんとっすかぁ!?」

明らかに嫌そうな声を上げ、顔を歪める

「嫌か、えぇ?嫌なのか?」

爺はその様子を見てエンピツに圧をかける


「ありがとな、爺。よしデカ男、行くぞ」

チョイチョイとデカ男についてくるように促すと「了解」と俺と同じ右方面にくる

「あぁ!鉄パイプさん!自分もそっち行きてぇっす!」

「ダメだ。お前はこっち」

爺に服を掴まれ引っ張られてエンピツは消えていった。すまんエンピツ


「鉄パイプさん、そろそろ着きますぞ」

「あぁ。デカ男も気ぃ引き締めとけ」

ガレキ女の影のあった廃ビルは苔むしており、廃ビル化してかなり時間がたっているようだった。

「少し見てくる、ここで待ってろ」

「かしこまりました」

デカ男が頭を少し下げたのを見て、振り返りビルの中へ足を進める


廃ビルの中はかすかに割れ目から指した日が苔を照らしており、魅力的と言えばそう言える光景が広がっていた。

「おーい、誰かいないかー?」

大声で叫ぶも、ただこだまするだけで返事はない。

「、、、いねぇなら、別にいいよな」

背に掛けた鉄パイプをズリズリ引き抜き、一番近くにあった適当な柱を思い切りガァン!と打ち付けた

何度も何度も打ち続ける。

「ほらぁ、早く出てこないとこのビルごとペシャンコになっちゃうぞー」

「やっ、やめっ。止めて」


振り返ると、真っ白なシャツを着た女がフラフラとそこに佇んでいた。

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