第8話狂宴!鉄パイプ女勝利!
[chapter:8]
倒れたトンカチ女を「よっこいしょ」と肩に抱え去ろうと立ち上がるチューブ男、その傍らには先ほどまで持っていたトンカチが落ち、トンカチ女の方に柄の部分を向け影を落としていた
「おい、待ちな」
チューブ男の頭横に鉄パイプを添え、重い声で制止する
「、、、いくら欲しいですか?」
「そいつの賞金の半分」
「、、、四割」
「ダメだ、半分」
「、、、分かったですよ、強情な方ですね」
鉄パイプを離し杖代わりに地面に突き立てると、戦闘終わりの安心からおデコから流れる血ごと髪をかき上げる
「でも、俺にも感謝してほしいですね。隙突かずにチューブ刺してなかったらお前もやられて、、、」
振り返り、ふてぶてしい顔で何か言いかけた後
「いや、お前は俺が助けなくてもやってたか」
と再び前を向くと「賞金半額やるんだから、貸し借りも無しですよ」と言い残し去っていった
「クソが、とんだ寄り道だぜ全くよ」
ドサッと仰向けになり、灰色の空を見つめる。いつだって子供のころから変わらない普通の空だ。それにしても頭が痛い、本当に少しクラクラして、視界が、、、
、
、、
、、、
『おい、鉄パイプ』
『お前はまた他所の子を叩いたそうだね』
『ダメじゃないか、それじゃあまるで、お兄ちゃんと同じ』
『デーモンじゃないか』
、、、
、、
、
「鉄パイプさん、起きてください。もうジュエリー男が4番街入りしたそうですよ」
頬をペシペシ叩かれる感触と音で目が覚め、頭の痛みとともに起き上がりフラついて立ち上がる
「あ~、最悪の目覚め」
「ほっほ、お疲れ様ですよ」
膝の汚れをぱっぱとハラい、鉄パイプを肩に担いで
「それじゃあ、行くか4番街によ」
「そうですな、時間は少ないですぞ」
歩みだそうと4番街の方を向いたとき、地面に落ちたトンカチが視界に入った
「、、、」
俺はそれを思い切り蹴飛ばして歩いた。つま先が滅茶苦茶に痛かった
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