第2話 弥勒様をマッサージ
「うん、美味い、、、」
緑茶はやはり濃い方がいい
この世界の文化に緑茶があるのは嬉しい
眼前には雄大なる滝
滝壺に流れ落ちる水流を眺めつつ物思いに耽る
澄んだ空気がうまい
「リオンよ、、、」
直接脳内に響く、重厚な声
「お久しぶりです、弥勒様」返答のあと
目の前の空間を割き、現れたのは
【神龍】弥勒
遠い昔、世界に災厄をもたらした、闇の軍勢、弥勒様を含む様々な種族の英雄がこれに立ち向かう
熾烈を極めた闘い、その中において
一騎当千の働きをし、名前を呼ぶことさえ禁忌とされたあの存在を単騎で打ち破った偉大なる英雄だ
立派な体躯
本来の大きさは東京スカイツリー位だが、気を遣って頂いたのだろう、今はお台場にあるガンダムと同じくらい (伝わるかな?この例え)
「久しぶりだな早速ですまぬが、いつもの頼めるか?」
物凄く偉大な方なのに、誰に対してもフランクな接し方
「いつものですね、了解しました」
俺がそう答えると、弥勒様はくるりと身を翻し、こちらへ背を向けてくれる
「失礼します」
金色に輝く両翼、その間に両手を添える
脱力、調息、、身体に魔力を纏い、息を吐くと同時に発力
足元から背中、腕、添えた双掌に伝わる波が弥勒様へと流れ込む
これは体術の応用、中国武術では浸透系に分類されるかな
「嗚呼、、、効く〜やっぱこれだよ」
大きく息を吐き
気持ちよさそうに身を震わせる弥勒様
魔力を纏ったこの波動、硬い存在の代表格ミスリルゴーレムですら一撃で粉砕するのだけどこの方にかかればマッサージ
規格外だよ、、、ほんと
「ありがとうなリオン!」弥勒様はこちらへ向き直り頭を下げると人型へ姿を変える
「お役に立てて何よりです」こちらも笑顔で返す
本来なら最大限に敬意を払った言葉使い、立居振る舞いをするべきなのだが、このお方はそれを嫌がる
弥勒様と呼ばれるのも好きじゃないらしいが、様付けだけはこちらも譲れない、それを俺が伝えると
「仕方ないな、好きなように呼んでくれ」苦笑いしつつ頭をかく弥勒様
本当カッコイイなこのお方、、、
その後は弥勒様が持参した酒とつまみを堪能しつつ
お互いの近況を語り合った
気がつくともう夜、今日も星が綺麗だ、、、
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