第2話作業開始!

呼び出された三田駅に行ってみると、私服姿の舞がいた。

「ごめん、おまたせ」

そう言って電車に乗った

どこに行くの?そう聞いても反応はない。

いきなり、

「降りるよ、ついてきて」

と言われ、後を追った。

降りた駅から十分ほどのところにあるマンションの一室の前で舞が止まった。

「ここの部屋お父さんが使ってた書斎兼作業部屋、使っていいって言われたから使わない?」

まさかの提案に戸惑っていたがすぐにその提案を飲んだ。

確かに元書斎というだけあって必要なものはすべてそろっていた。

しかし、僕は中学生の頃から美術の通知表が3を超えた日はないし、ましてや4なんて取ったものなら家族からたたえられるほどのレベルで美術センスがなかった。だから、舞に

「僕は絵が描けない、どうやって漫画を書いたらいいんだよ。」

そう聞くと、舞は思い出したかのように

「あれ?まだ言ってなかったっけ?

原作は君が、絵の方は私が描くよ。」

答えが思っていたのと違い、数秒固まってしまった。

「はぁ? 何言ってんだ。成績優秀で絵も学校から選ばれるほどうまいことは知っている、けど漫画と美術は違うんだぞ!」

あきれて僕は部屋を飛び出してしまった。

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あなたの笑顔で言葉が踊る プラタナス @godzzzz

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