第2話「完全復活!パーフェクト夢藤様だZE!」

「ハッ!」


 俺は目を覚ました。見渡すと一面真っ白な空間が広がる。どこだここは。

 その時だった。


「あ、起きた?」


 少女が俺を見下ろしている。

 俺は上半身起こして言う。


「君は?」


「私はタカラト・ミナコ。神様よ」


「神のカードか!」キィン!(カットイン)


「違うわよ!」


 神様――ミナコはそこまで言うと後ろを向き、ため息をつく。


「全くあのバカ。『転生プログラム』なんて面倒なカード使って! 仕事増やされるこっちの身にもなって欲しいもんだわ」


「仕事を増やされる?」


「そう。これからあんたは転生プログラムの効果で異世界に転生するの。てことで、はい」


 ミナコが指を動かすと、扉が現れた。

 こ、これは例のアレ展開か!


「入って異世界に行きなさい」


 いきなり異世界って。というか俺はデュエル以外秀でたものが――。


 カン☆コーン!


 それだZE!!!!!!!!!


「ミナコ。向こうの世界でもデュエルしたいZE」


「ん? じゃあそういう世界に飛ばしとくわ」


「おお助かるZE!!!!!」


「あ、あとスキルもちゃんと持ってってね。お約束でしょ」


「ありがたいZE。インチキスキル効果頼むZE」


 言い終えると、ミナコは俺に腹パンをかました。


「ぐっ! 瑠璃……」


「私は瑠璃じゃないわ。それよりもスキル与えたわよ」


「どんなんだ?」


「1日1回パックを開けられるスキルよ」


「ゑ? 全然インチキじゃないZE」


「あったりまえでしょ。あんただけ有利な状態でゲーム始まったらリアルファイト待ったなしよ!」


 至極真っ当な理由だZE。

 確かに相手だけ先攻ドローとか初期ライフ2倍とかされてたら俺は相手を爆☆殺するZE。


「その代わり色々と便宜も図って読み書きも出来るようにしといたわ。意思疎通もね」


「あ、それは結構マジでありがたいZE」


 路頭に迷ったらデュエルどころじゃないからな。


「頑張ってね。あ、ついでにデッキ渡しとくわ」


「待ってたZE!」


 俺はミナコからデッキを渡された。


(どんなデッキかワクワクだZE。大会レベル? ファンデッキ? ワクワクだZE)


「ゑ?」


 カードを捲りながら俺は冷や汗を垂らした。


「なぁにこれぇ」


 これは……。いや、悪くはないがあんまり強くもない。


「もうちょっと何とかならなかったのか?」


「文句言わないでよ。だって私デュエルバスターズわかんないんだもん」


「命を預かる者としての倫理観やばいって」


「うっさいわね! そんなことより早く光の中に完結しなさい!」


 ミナコの足蹴り攻撃!!!

 俺の背中にタイレクトアタック!!!!!


「AIBOOOOOOOOO!!!!!!」






第1章

超戦士転生マスター・オブ・リンカーネーション






【作者より】

 ここまで読んでくださりありがとうございます。

 章の名前はあるカードゲームのパック名のオマージュです。元ネタわかる人がいたら嬉しいです。

 さて次回後半からはいよいよデュエルパートです!ちゃんと読める内容を提供出来るか緊張していますが、応援よろしくお願いします。


 いいね、コメントなどくださるととても励みになります。星での評価、レビュー、作者や作品のフォローなども入れてくださると泣いて喜びます。

 次回は本日17:00~20:00頃に投稿予定です。よろしくお願いします!

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