第22話【こうじゃないと】

言われた住所へ、メンバーを連れて向かう。

車内は徐々に明るさを取り戻し、どんな部屋かと浮かれた様子で話してる。

「このくらい明るい方が落ち着くな。」

「そうですね、何かあっても関口さんが守ってくれるし。」

独り言のつもりが聞かれていた。


「ここら辺なんだけど、あ、あれかな…」

「わー大きい!」

「凄いね〜」

「ん?関口さん、急に黙ってどうしたの?」

「いや、あれ、凄くデカいけど、一軒家だよな。」

「そうやね。」

「うむ」

「俺の家は別にあるって事か、決まるまでホテルとかかなぁ。」

ホテルは嫌だが、メンバーと別になるのが少しうれしかったり。

そんな事を考えていたら、入口前に着いた。

すると、ガレージへ続くであろうシャッターが開かれた。


すると電話が鳴る。

「駒野さんだ。もしもし?」

「関口君、そのまま進むと門があるから、そこから入ってきて。」

「わかりました。」


言われた通り進むと、門らしきものが見えてきた。

すると、守衛室のような場所から、警備会社の人間であろう人が出てきた。

「ご苦労様です、駒野様より通すように言われておりますが、念のため、免許証のご提示をお願いします。」

「あ、はい。」

免許証を渡すと、俺の顔を確認、そして室内を見てから通してくれた。


以前の寮には管理人はいたが、今回は警備員。

安全面は比べ物にならないはずだ。


しかし、内部から疑わなくてはならない。

警備会社の人間といえど、信用しすぎるのはダメかもしれないな。

そんな事を考えていると、駐車場に到着した。

メンバーと共に玄関に入ると、駒野さんが待ち構えていた。


「とりあえず、他のメンバーが来るまでは部屋で待機しておいてくれ。」

そういうとメンバーにそれぞれの部屋の鍵を渡す。

部屋には名札が掛かっているとの事で、メンバーは部屋に向かった。


「関口くんはこっちにきてくれ。」

「はい。」

駒野さんとリビング?へ移動する。

そしてざっくりと寮の説明を受ける。

一階は現在いるリビング、もとい食堂。

そして俺の部屋がある様だ。

2階と3階はメンバーの部屋、各部屋1LDK風の作りだがキッチンは無い。メンバーに自炊をする子があまりいないのと、食堂で食事をとる事でコミュニケーションを図って貰いたい狙いがあるようだ。


話をしていると、馬渕さんと田中さんが残りのメンバーを連れて到着した。

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