第13話【またかよ…】

飲み物休憩を終え、レッスンが再開された。

ようやく解放された俺は、デスクへ戻る。

馬渕さんがどことなく不機嫌だが、もう無視で良いなと思ってる。


「馬渕さん、今の時間でやれる事ありますか?」

「私への謝罪です。」

「は?」

「へ?あ、あぁ、スケジュールを作成して貰いますね。」

「はい。」

スケジュールはメンバー毎に出しているらしい。

馬渕さんと、田中さんが主に行なっているらしいが、

余りの量なので、2日後までを作成するので手一杯らしい。

「これ、他の社員さんには頼めないんですか?」

「今までは、頼むこともあったんですけど…

セキュリティ面を考えると難しくて。」


なるほど…

空港であった事件?の時にスケジュールが漏れていたらしいからな、該当社員は解雇になったらしいが、また起こら

ないとも限らない。

「なら仕方ないですね、頑張りましょう。」

「私と田中は打ち合わせが入ってるので、申し訳ないんですが、進めててもらって良いですか?」

「はい、行ってらっしゃい。」

「はぅっ///」


よくわからんリアクションをとって、馬渕さんは打ち合わせに向かった。


「さて、やるか。」


レッスン終了までは1時間程度、入力は得意だが、このまま入力しても効率が悪い。

少し手を加える。


「んー、そろそろ時間だな。」

レッスン終了時間の5分前、飲み物とタオルを用意し、レッスン場へ向かう。


先生が今日のレッスンの話をしている。

その間に飲み物とタオルをテーブルに並べる。


「「ありがとうございました!」」


終わったようだ。

「皆さん、お疲れ様でした!タオルと飲み物、用意してますので使って下さい。」


先生には直接渡す。

「本日もお疲れ様でした!」

「ありがとうございます、では失礼します。」


疲れたと座り込み、休憩を取るメンバーに声をかける。

「マイさん、ナナさん、アスナさんは取材のため30分後に出発です。私が担当しますのでロビーにて待機お願いします。」


後ろから袖を引っ張られる。

振り向くと、そこにはアスナが…


「…どうしました?」

「アスナ疲れたから着替え出来ない。」

「困りましたね。」

「関口が着替えさせて。」

「無理ですね。」

「なんで。」

「男だからですね。」

「むぅ」

「そんな顔しても無理ですよ。」

「なら、更衣室まで抱っこ。」

「いや、それも…」

「アスナ…また、関口さんに、何かさせようとしてるの?」


怒りに震えた声に、アスナと俺は思わず固まる。


「アスナ、一緒に着替え、行くよ。」

「…あぃ…」

「関口さん、夜、お話がありますので、伺いますね。では、ロビーで、後ほど。」

「は、はい…」


マイのあまりの形相にOKしてしまったが、今夜はゆっくり休みたかったのに…


「またかよ…」


まだまだ初日は終わらない…

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る