第11話【初めまして・・・え?久しぶり。】

レッスン場へ着くと、ダンスレッスンの真っ最中。

総勢22名が踊っている姿は圧巻だ。

「かっこいいな・・・」

「ふふっ。そうでしょう、この曲終わりで紹介しますね。」


曲が終わり、馬淵さんが先生に声をかける。

「少し時間をもらっても宜しいですか?」

許可をもらい、メンバーへ自己紹介を行う。


「本日より、マネージャーとしてお世話になります、関口です。よろしくお願いします。」

今までいなかった、男性マネージャーという事で、少しざわつく。

その中で一人のメンバーが声を上げる。


「え?関口?え、え?」

声の方に目をやると、そこには知った顔があった。

「モナ!?」

「やっぱり!久しぶり~、会いたかったよ~」

駆け寄り抱き着いてきた。思わず抱きしめ返す。

「俺も会いたかったよ。」


その光景を呆然と見ていたメンバー、我に返った馬淵さんが慌ててモナを抑える。

「な、なにしてるの!」

マイも我に返り声をかける。

「モナ!ダメでしょ!まだ私だって・・・」

何を言ってんだこの人は・・・

「え~だって久しぶりだし、いいじゃないですか。」

「モナ、大事な説明が抜けているよ。馬淵さん、すいません。」

「モナは最年少の14歳ですよ?いつ出会って、そんな関係になったんですか!?」

「いや、そういうんじゃなくてですね。」

「ちゃんと説明してください!」

「マイさん、説明しますから。あの、モナは俺の娘です。」

「「えっ?」」

全員が驚き、開いた口が塞がっていない。


これ以上はレッスンの時間を割いてしまうので、挨拶を終えてオフィスへ向かう。


「まさか、モナのお父さんだったとは・・・」

「私もビックリしました。もう10年は会ってなかったので。」

「そうでしたか・・・モナが私の娘に・・・」

最後は聞き取れなかったが、よほど驚いたようだ。


自分のデスクへ戻り、仕事の準備をしようと、馬淵さんへ質問する。

しかし、馬淵さんはまだ驚きが続いているようで、俺の声が届かない。

「コーヒーでも飲むか。」


自販機へ向かった。


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