第9話【出社は時に遠足のように】

二人の口論もいったん収まった。

まもなく集合時間ということもあり、二人を促しエントランスへ。

すでに他のメンバーは集まっていた。


「あれ?マイとアスナ一緒だったんだ。」

マフユさんが不思議そうに問いかける。

「関口にご飯と髪の毛してもらった。」

アスナさん、それを言っちゃうと・・・

「わたしだってしてもらいたかったのに・・・」

マイさん・・・不機嫌の極みみたいな顔してますよ・・・

「えー!ずるい!関口さん!私にも作ってよー!」

「エリナさん、それはまた今度。」

「私も食べたいなぁ」

「ナナさんもまた今度作りますから。」

「それなら、わたしも・・・」

「マフユさんだけはそっちにいかなで・・・」


まだ騒がしくしているメンバー。

正気を取り戻したマイさんがメンバーに声を掛ける。


「ほら皆!関口さん困ってるでしょ!」

メンバーが口を閉じ、真剣な眼差しでこちらを見る。

マイさんはまとめ役でもあるのか、ありがたい。

「マイさんありがとうございます。これから事務所へ移動します、では地下駐車場へ向かいましょう。」


駐車場へ向かうためエレベーターへ、地下に着き車へ向かう。

駐車場のスペースはあるが、カギを渡されているワゴン車以外は止まっていない。

たまたまか。


カギを開け、メンバーを乗せる。

外周点検を行い、運転席へ。

全員後部座席に乗せた筈が、助手席になぜか座っているアスナさん。

それに文句を言っているマイさん。


めんどくさいので無視しようかと思ったが、一向に静かにならない。

「あの、帰りはマイさんが助手席ということで、ここは一旦納めませんか。」

「はぁい」

静かになった。車を走らせ、事務所へ到着。

車の中ではお菓子やら、トランプやら。。


「遠足かよ・・・」


通勤だけで体力の半分は削られた気がした。



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