第5話【覚悟はしていたが・・・】

会社へ入ると社長室へと向かう。

この人、本当に社長なんだと実感した。


「そこに掛けて下さい。」

ソファーに腰を掛けると、対面に駒野さんが座る。


「じゃあ、簡単に今後の説明をします。」

そういうと、今後の仕事などの説明をしてくれた。


まず、俺はおのみち246のチーフマネージャーという役職につく。

仕事のメインはメンバーの護衛だが、通常時はマネージャーとして業務につくらしい。

マネージャーとしてやる事は、スケジュール管理、現場への引率、メンバーのケア、

ライブ、握手会等の裏方業務、などなど。

護衛業務支障をきたすのでは?と思ったが、まだやってもいないのに泣き言は言うまいと心にしまう。

「こんなところかな、なにか質問はありますか?」

「仕事に関しては大丈夫です。あの、社宅のことなんですが。先ほどマイさんに会いまして、メンバーも住んでいると聞いたんですが。」

「メンバーの護衛となると、毎回、メンバーをバラバラの家に送り届けては大変だろう?だから寮にしたんだよ。」

「そうですか・・・私、男ですが問題ないんですかね?週刊誌とか・・・」

「そこは問題ないよ。」

「そうですか、わかりました。」

「今日はこの後、メンバーがレッスンをしているのでそこで顔合わせ、マネージャーも揃っているから紹介するよ。仕事は明日からで良いかな?」

「はい、大丈夫です。」

「よし、じゃあメンバーのところへ行こうか。」


レッスン場へ向かうと、一生懸命にダンスを踊るメンバーの姿が見えた。

この子たちを、守るんだな。と、気合も入る。


レッスンが中断がすると駒野さんが声をかけた。

「ちょっといいかな、以前話したチーフマネージャーを紹介する。関口君だ。」

「関口です。よろしくお願いします。」

『お願いします!』

全員が声を揃えて挨拶をしてくれた。


「まだ自己紹介できていないメンバーもいるが、今日は関口君は休みなんでな。明日から皆に就いてもらうからその時にでも済ませてくれ。」

「では、明日からお願いします。失礼します。」


挨拶を済ませ、マネージャーの先輩方に挨拶を済ませる。


「じゃあ、関口君はこの辺で、明日は9時に事務所でね。寮の駐車場に車を停めてるからメンバーも連れてきて欲しいんだ、メンバーには8:45にエントランスにいるように伝えてあるから、よろしくね。」

「わかりました。では明日からよろしくお願いします。」


家に帰る途中、コンビニで食料などを買い家に着いた。

「メンバー、やっぱり若い女の子ばっかりだったな・・・

スタッフも若い女性ばかりだったしなぁ・・・

覚悟はしていたが、やっていけるか不安だなぁ。

ふぅ・・・部屋片づけて飯食って寝よ・・・」


ピンポーン


「ん?」

突然のチャイムがまだ、長い一日を終わらせてくれなかった。

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