第4話【おじさんの旅立ち】

おのみち246のマネージャーに誘われ、やってみようと決意した日から2か月。

地元を離れ東京に行く日がやってきた。

仲間たちとの別れには涙腺が緩んだが、何泣いてるんですか~おじさん。

の、後輩の一言に涙腺をキュッと締めた。

おじさんの意地を見せてやりました。


飛行機に乗り羽田空港へ着くと、駒野さんが迎えに来てくれていた。

「関口さん。お待ちしてました。」

「すいません、わざわざ迎えに来ていただきまして。」

「いえいえ、では会社に向かう前に社宅にご案内します。」

関口さんの車に乗り、これから住む社宅へ向かった。


「でかい・・・」

「こちらの一階部分のエントランス横の部屋になります。あ、鍵はこれね。」

「ありがとうございます。荷物を置いてすぐ戻ります。」



入り口はオートロック。入るとエントランスが広がっていた。

「中に入ると余計広さがわかるな・・・」

すぐ奥に行くとエレベーターがあり、その手前の通路を左へ曲がる。

「ここか」

駒野さんからもらった鍵で部屋へ入る。

「いや・・・広すぎるだろ・・・」

玄関から少し廊下があり右には風呂、左に風呂がある。

そして扉の向こうにはリビングが広がっていた。

奥にも部屋が二つあるようだ。

「持て余すなこりゃ。とりあえず行くか。」


ゆっくり見たい気持ちもあるが、駒野さんを待たせているため外へ。

「会社見るの初めてだな、楽しみだ。」

外へ出た鍵をかけたところで声をかけられる。

「あっ!関口さん!今日からでしたね!」

「あれ、マイさん?」

「お久しぶりです!引っ越しの片づけですか?」

「いえ、これから駒野さんと会社に行くので片づけはその後ですね。マイさんはどうしてここに?」

「ここ、おのみち246の寮になってるんですよ、実家から通える子以外は皆ここに住んでます。」

「へ?駒野さん社宅って・・・メンバーの皆と社員の方々が住んでるんですか?」

「メンバー以外は関口さんだけですよ?」

「・・・まぁ、後ほど説明を聞くとします。」

「?はい、じゃあ後ほど!」


後ほどってなんだ?というツッコミは心の中だけにして、駒野さんのもとへ。

「すいません、お待たせしました。」

「じゃあ、会社へ向かいましょう。」

歩けば10分くらいの距離だろう、走り出してすぐ会社が見えた。

「いや・・・会社もでかい・・・」


なぜ自分が寮住まいなのか、という質問も忘れるほど圧倒された。

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