第2話【なんでそうなる】
ホテルへ付き、チェックインを終え部屋でくつろいでいると仲間が来た。
「災難だったな!笑」
「笑ってんなよ、まぁ自業自得だが・・・」
「ま!飯でも美味いもん食って、明日の大会に備えようぜ!」
「それがさ、さっきの人の上司みたいな人にどうしてもと言われ、夜は出なきゃならないんだ。」
「あぁ〜向こうの気が済まないって感じで断れなかったんだな?」
「そんなとこだ。」
「じゃあこっちは他の皆で行くとするよ、飲みすぎて明日ボロボロとかやめろよな。」
「こっちのセリフだ。」
仲間達は一足先に食事え行くということで部屋でまったりしていた。
「少し体でも動かすか。」
そう思いたちジョギングがてら近くの公園へ。
「人もまばらだしここなら素振りしても問題ないかな。」
竹刀を取り出し素振りを始める。
30歳から始めた剣道だが、最近ようやく様になってきた気がする。
プルル・・・・
突然スマホが鳴った。
画面を見ると駒野さんからだ。
「もしもし、関口です。」
「あ、関口さん!駒野です、本日なんですが19時頃はご都合よろしいですか?」
今は17時を過ぎた頃、帰ってシャワー浴びる時間は取れそうだ。
「問題ありません、どちらに伺えばよろしいですか?」
「関口さんはどちらにいらっしゃいますか?」
「私は浜松町のホテルにおります。」
「では、そちらにお迎えに上がります。下に着きましたらまたご連絡します。」
「わかりました、よろしくお願い致します。」
迎えは断ろうかと考えたが、あくまでお礼をしたいという相手の心情から考えたらここは甘えたほうがいいだろう。
もう少し素振りをしたかったが、ホテルまでは30分程度かかる。
切り上げてホテルへ戻ることにした。
ホテルにつきシャワーを浴びたあと、30分前にロビーへ降りた。
「待たせるのは何だしな。」
缶コーヒーを飲みながらくつろいでいると駒野さんから着信が鳴った。
「関口さんお待たせしました、今ロビーに・・・」
顔を上げた先に駒野さんが見え駆け寄る。駒野さんも俺に気づいたようだ。
「わざわざ迎えに来ていただきまして、ありがとうございます。」
「いえいえ、お待たせしてしまいまして。それでは行きましょう。」
駒野さんに促され外に出る。
そこには黒塗りの高級車が止まっていた。
運転手らしき人がドアを開け、そこに駒野さんと乗り込む。
「駒野さんって凄く偉い方なのですか・・・」
「そんな事ありませんよ、一応代表は務めさせて頂いてますが。偉いわけではないです。」
(それって十分偉いよな・・・急に緊張してきた。ていうか!そもそもマジで何者なんだ、従業員の女性を助けたとはいえ、ここまでするんだろうか・・・
あれか?愛人とか?いや下衆の勘繰りだな。)
心の中を整理していたら車が止まる、どうやら目的に着いたみたいだ。
「では、行きましょう。」
「はい・・・」
明らかに高そうな店に入ろうと促されている。
「どうしてこうなった・・・・・」
駒野さんには聞こえない程度の小さな声が俺から漏れていた。
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