第9話 ハロウィンで君のことが羨ましい
『『ハッピーハロウィン、ようこそ男装カフェロイドへ』』
アイドル4人は店の前で仮装してお客様を迎え入れた。
店長は猫耳で、怜樹は黒執事の格好をして、井杉類は緑谷出久の格好で、髪が緑だった。最後に柳陸は時間がなくてドンキに売っていたピエロの格好をして出迎えた。
1番人気はやっぱり井杉類だった。
彼から『Trick or Treat』と言ってお菓子をもらう女子達が多発していた。
井杉類は店の中で女の子達に言った。
『今日は、来てくれてありがとう。今日は仕事も学校も忘れて私と一緒に楽しもう』
『勿論、私たちは井杉くんに会う為に来たんだから、それにちょっとハロウィンを意識してこの服も着てきたんだ。どうかな?』
『すごい似合ってるよ。でも、夜は気をつけてね。変な人も多いから、挑発するような服装は避けなきゃね』
そんな心配をする井杉くんに彼女達はキュンキュンしていた。
彼女は言った。
『夜は気をつけます』
そんな井杉くんとお客様の様子をこっそり見ていた柳陸は目の前にいる岩崎さんに気づかなかった。
岩崎さんは柳を見つめて言った。
『柳くん、井杉くんが気になるの?』
柳くんはそう言われてハッとして、岩崎さんに言った。
『そんなことないです。ただ羨ましいなって思うだけです』
『ふーん、でも確かに井杉くんといる方が楽しそうな気がする。だって、彼は同じ女の子だけど、男の子かもって気付かせてくれる気がするから。私も推し変更しようかな。柳くんから井杉くんに』
『岩崎さん、辞めてくださいよ。岩崎さんが居ないと僕の成績ダダ下がりなんですから。岩崎が居ないと僕はダメなんです』
まるで岩崎さんはその言葉が欲しかったように、柳くんが気づかないうちにレコーダーで声を取って言った。
『これでもう私から離れるような言葉は言わないでね』
『まさか、僕の言葉取ったんですか。ずるいです。でも、岩崎さん僕の声好きなんですか?それならもっとレコーダーで取っていいですよ』
開き直った柳くんに岩崎さんは『柳くんのバカ!』と言って、お菓子も貰わず行ってしまった。
柳くんは怜樹からお菓子の飴を貰い、ドンマイと背中を叩かれた。
ハロウィンが上手くいかないのは全部、このおかしな仮装のせいだと柳は1人考えていた。
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