第5話 男装した姿を先生はどう思うだろう

『笠原さん』

『はい』

『これ2部コピーしといてくれる』

『分かりました』

私は栗栖高校で事務のバイトをしている。

その傍ら男装カフェ『ロイド』で井杉類として働いている。

私の夢は公務員になることだ。

その為に、働きながら勉強している。

あの日に、バイト先で恩師に出会ったのは運命かと思った。

高校卒業してから大学卒業して紆余曲折あって今がある。

先生には感謝していた。

だから、本当だったらあの場で自分が先生の教え子だって言いたかった。

でも、男装した姿を見たら先生どんな目で見るとか想像したら怖かった。

だから、話せなかった。

でも、向こうは私のこと気づいて無さそうだった。

気づかないままなら気づかないままでも良いのかもしれない。

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